表題作を含む短編集。せつなさが炸裂しておる…
甘苦い恋愛たっぷりの短編4編
このマンガはおおきく分けて
AV女優とAV男優が同居する話。
兄が好きな妹と妹が怖い兄の話。
自意識過剰なあたしの話。
一日一回、あなたを好きだと思わせて。
の4編(+α)が収録された短編集となっていて、どれもなかなか甘いというかほろ苦いというかせつないというか「ああー」って感じになる。おわかりいただけるだろうか。
ふとした男女の恋愛話
(「AV女優とAV男優が同居する話。」より)
表題作「AV女優とAV男優が同居する話。」では、梓と大地がふとしたきっかけでルームシェアをすることになって、過ごしているうちにお互いを意識するようになって…というものなのですが、二人のいる業界が業界なだけに、こう、ああー。
同じ業界の人だからとむしろ気軽に過ごせていたからゆっくり近づいていった気持ちとか、仕事と割り切っていたと思っていたところへの展開とか、この普通に繊細な移り変わりの部分がすこく好き。
テーマとしてアダルト業界というところがさらにそれを浮きだたせているところはあるけど。
それはそれとしてリリちゃんのこじらせ方がすごく好き。
(「AV女優とAV男優が同居する話。」より)
後の後のエピソードまで含めての苦さからのしあわせ感。救われる…
こじらせ系女子のかわいさ (他人事感
妹が兄を困らせる話とかお節介していた女の子の話とかもいろいろめんどくさこじれてて大変よい。
長谷川さんはアレだ、強く生きよう。
(「AV女優とAV男優が同居する話。」より)
上田くんはばっさり切りすぎじゃよー…っていうところもあったけど冷静というか達観してるというか。あっちはあっちで…うん…
あとあの見合い結婚の話はなんていうか状況として一番普通なんだけどいちばん搦め手でしんどいのではという感じがしてあとがきの「ネームを読んでもらった人の恋愛状況と一致してしまい「どうしてこんなこと描くの…」というケンカに発展した」ってエピソードと合わせてじわじわきます。ああー。
女の子が主人公の少女まんが感のある恋愛話になっていますが、甘いだけでも苦いだけでもないビターマイルドな感じが素敵でした。
めんどくさかわいい子が好きな人は是非お試しに。
たびたび頭をよぎったのがこちらの本。これが好きならたぶんこっちも好き。