「Fate / Apocrypha」4巻感想　決戦前夜

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　ラストに向けての静かなひととき。各々の想いを見つめる決断のとき。

※ここから先にはネタバレがあります。Fateシリーズはその話の展開、構成すべてに驚きと仕掛けが込められているようなもので、どうあっても感想というとネタバレになってしまうところがあるかもしれません。(おいしいところはなるべく残しておきたいとは思っていますが)　未読の方、ネタバレが気になる方はここで引き返し、迷わず本作を手に取ることおすすめします。

地獄より

　けれどその前に、黒のアサシン、ジャック・ザ・リッパーとの決着が待っています。この悲しみ。この地獄感。

　「わたしたちは炎、雨、力ーー」という宝具解放がなぜ複数形なのか…無垢なる殺人鬼たちの求めているもの、求めていたもの、ホワイトチャペルという、善も悪もなくただただ弱者が消費されていくシステム。アタランテがーー自分が子どもの頃に捨てられた過去から、何より子どもを大事にしようとしている彼女がほだされてしまうのもわかる。

　そして、その無垢なるものを無条件で受け入れてきた、だからこそマスターとなれていたともいえる六道玲霞。魔術なんてからっきしだったけれどもただただ強かった。母として強かった。

　何度読んでも泣ける…

　アタランテさんは後半、もう完全にヤンでる気がするしやっぱり英霊は誰もがオルタ化してもおかしくない…

魔術師としての決断

　そして赤の陣営に決戦を挑むために準備を整える黒の陣営。もう赤だ黒だというのも無意味かもしれませんけどね…

　この準備期間が意外と長くなってしまった感じはあるのですが、やはりそれでも必要な期間なのかと想います。

　ユグドミレニア現当主であるフィオレの下した決断とか。ホムンクルスとの交渉に応じていたあたりから薄々察せられるところはあったのかもしれないけど、彼女は魔術の腕は一流でも、魔術師としては優しすぎた…

　このあたりのエピソード、見守る黒のアーチャー、弟のカウレスの立ち位置もまた絶妙に絶妙でほっこりする。魔術師としては赦されないのかもしれないけれど…フィオレさんを応援していきたい。こういうおねえさんがきっと「何気なく隣に住んでいたお嬢様然とした美人さんが実は超凄腕の魔術師で謎の権力者に話を付けてくれたりしてくれるキャラ」になるわけですよ。最高かよ…