人は食さねば生きてはゆけない。
ダンジョンxモンスター=食
地下深くに広がるダンジョンで、レッドドラゴンとの死闘の末なんとか逃げ帰ったライオス一行。ただしライオスの妹ファリンはドラゴンに食われてしまい、それを助けにいくために一刻も早く再探索に向かわなければならない…
という導入で始まるモンスターグルメ紀行。
(「ダンジョン飯」1巻より)
登場するモンスターは大サソリ、スライム、バジリスク、マンドレイクなどなど…オーソドックスなファンタジー的モンスターたち。
襲いかかってくるそれらのモンスターを、剣士のライオス、鍵師(シーフっぽい)のチルチャック、エルフで魔法使いのマルシル、ドワーフのセンシというファンタジーパーティである彼らが激しいバトル
(「ダンジョン飯」1巻より)
を乗り越え、(胃の中で)妹が待つレッドドラゴンの元へと進んでいく物語のはずだがだんだんモンスターが食材にしか見えなくなってくる。
「ほう…この魔物にこういう食し方が」という新鮮な驚き。
モンスターの習性などを利用した見事な捕獲。
マンドラゴラの収穫方法ひとつにみる、味へのこだわり。
もうこれは完全に感想としてはこれしかないです。うまそう。
ダンジョンの奥底へ
パーティの中で、主に調理担当となっているのはドワーフのセンシ。
ドワーフ語で「探求者」という名前の通りに、食に対する飽くなき探求がその腕を輝かせます。
料理人がいるからこそ食材が輝く。はっきりわかんだね!
冒険者としてもこのパーティの適応力がとても高くて、ダンジョンを攻略していくさまをわくわくしながら読み進めることができます。
チルチャックが罠を解除したりとかモンスターとの戦闘で活躍するライネスとか。魔術と知識とツッコミで陰ひなたとサポートしているマルシルもイカす。苦労人っぽいけど。
(「ダンジョン飯」2巻より)
ダンジョン探索と飯はある意味そんな彼らの日常でもあって、 緊張感と和やかな雰囲気が織り混ざっているところがまたなんともいえない絶妙な雰囲気を出しているようにも思います。
マルシルが絶叫芸人みたいになってるけど、石鹸を作ってみたりとかタルトに喜んでみたりとか、女の子っぽい一面が見えるとほっこりするのよね。
ダンジョンはダンジョンで罠あり魔物ありのファンタジー感満載なのですが、2巻からはさらに凝った仕掛けや別の種族なんかも出てきて、ますますファンタジーアドベンチャーっぽく楽しくなっていきます。
同じ釜の飯を食えば誰だって仲良くなれる。
ダンジョン探索の面白さは、1巻より2巻のほうが上で、階層が進むごとに凝ったものになっていくのかなと思うとこの先がより楽しみになります。
グルメだけではないドラマがあって、それをグルメが彩っている。
果たしてこのダンジョンの奥に潜むものは何なのか、レッドドラゴンを倒したとき、どんな食材が待っているのか。
ロマンあふれるこのダンジョンで、この先生きのこることができるか!
おいしくできました!
(「ダンジョン飯」1巻より)