つんどくダイアリー

つんどくダイアリー

わりと好き勝手書いてるからネタバレてたらごめんね。旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと740冊/※本サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。ページ内のリンクがアフィリエイトリンクの場合があります。

アメリカの地方都市で開幕する「偽りの」聖杯戦争、選手入場! 「Fate / strange Fake」1巻感想

※本サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
 ページ内のリンクがアフィリエイトリンクの場合があります。

Fate/strange Fake (1) (電撃文庫)

 プロローグからしてこれかよ…という気持ちでいっぱいです。

ここから先にはネタバレがあります。Fateシリーズはその話の展開、構成すべてに驚きと仕掛けが込められているようなもので、どうあっても感想というとネタバレになってしまうところがあるかもしれません。(おいしいところはなるべく残しておきたいとは思っていますが) 未読の方、ネタバレが気になる方はここで引き返し、迷わず本作を手に取ることおすすめします。

 

 

聖杯戦争」の開幕

 米国西部の地方都市スノーフィールドを舞台に、聖杯召喚の儀式である「聖杯戦争」が執り行われる。

 もともとは日本の冬木市に端を発するその儀式、その術式をかすめ取りアメリカで再現しようとした魔術師達がいた。

 オリジナルの聖杯戦争は「Fate / stay night」で語られているように、7人のマスター、7人のサーヴァントによるバトルロイヤルで、「聖杯」と呼ばれる、全ての願いを叶えるという願望機を顕現させようとするものでした。

 

 そして本作、スノーフィールドで執り行われる儀式は、なぜか「セイバー抜きの六柱のサーヴァント」で執り行われるという。

 今巻ではその六柱が出そろうプロローグ編が主なのですが、もうこの時点で波乱の予感しかしません。

 

選手、入場っっっ!!!

 我が来た! 愛されし最強の金ピカ、慢心してこそ王の器! この世の財宝はすべて彼のもの! アーチャー!

 

 マスターは時計塔の異端児にして超天才!? そしてロード・エルメロイ二世の愛弟子だ! そんな彼が呼び出した「伝説」は一周回って超紳士!? バーサーカーだ!

 

 敬愛する長老たち、一族を惑わす聖杯が憎い! 歴代最強の圧倒的才能確実に病んでるストイックな精神をもって、この儀式を討ち滅ぼす! アサシン!

 

 いいから飯と女をよこせよブラザー! この偽りだらけの儀式において本物を越える贋作を作れるのは君だけだ! キャスターが来てくれた!

 

 無垢である。そして自動的である。ただ少女の願いを叶えるため、風に乗ってどこまでも! 今儀式最大のダークホース! ライダー!

 

 神が与えたその力。人が与えたその心。天地乖離す開闢の星はその身をもって繋ぎ止めよう。優しい容姿に確かな闘争心ランサー!

 

このブレーキの壊れ方、ノリノリである

 マスター側も負けてはいない。公園で無造作にサーヴァントと契約するわ、召喚即ぶち殺されたと思ったら生き返るわ、人の身で英霊すべてを駆逐せんと部隊を組織するわ…あと犬。じゃなかった

 謎の黒幕ぶったロリババァ、日本からの訳ありビジター、そして顕現する最後のサーヴァント…これだけアクの強いキャラクター、クセのある状況をまとめ上げてするっと読めるようにしているのは流石と言わざるを得ないですよね。

 またFateって「あいつは誰だ!? 誰がマスターだ!?」という謎めいたところからだんだんマスターとサーヴァントが明らかになっていくようなミステリアスなところがあるんですが、最初っからカードをオープンしているこれ。まさに異端。

 

 今回の聖杯戦争、なんていうか良かったと思えるのはギル様がようやくマスターに恵まれたと思えること…面従腹背の優雅さんとか麻婆神父とか明らかに王に対する敬意が足りなすぎていた。一方今回のマスターのティーネちゃん。もちろん彼女にも参戦する理由があり、その目的のためにマスターとなったのだけれども。最古の英雄王の力に畏敬の念を表し、よき臣下であろうとする様子がほんとにけなげかわいい。慢心と幼女…やはりこれか…!

 もうひとりの幼女、椿ちゃんが従えてるのはすべてを飲み込む災厄の風だしな…最強かよ…

 

 どこを取っても(Fateシリーズを知っているとさらに)「げぇーっっっ!?」って驚きに満ちている本シリーズ、ここから苛烈なバトルロイヤルが幕を開けるのか。「聖杯戦争」という儀式そのものを、裏から操り蹂躙しようとする陰謀の勢力。その思惑と結末はどこに行き着くというのか。本当に楽しみです。でも5巻で終わることはないと思う。