つんどくダイアリー

つんどくダイアリー

わりと好き勝手書いてるからネタバレてたらごめんね。旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと740冊/※本サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。ページ内のリンクがアフィリエイトリンクの場合があります。

あけましておめでとうございます2022

 あけましておめでとうございます!

 相変わらずプリコネとFGOとときどきジャンプチ。だいたい変わらぬまま1年が過ぎています。

 今年はとうとう月姫リメイクもリリースされたのだけど…ニンテンドースイッチがなくて積んでいる有様。どうしてそっちを って気持ちはわからなくもない。でも携帯機のほうが好きなんじゃもん…ゲーム機と呼べるのはすっかりスマホが主かもしれんですね…

 プリコネはいまのところ飽きないなあと思いながらやっています。周回にアリーナにと結構やること多いとは思うんだけど。スキップ多用できたり余計な時間かからないようにしてくれてるところとか、バトルがオートで見守るような感じ(組み合わせなどでほぼ結果が決まる)ところがなんかいい感じなのかなあと思ってます。バトルのテンポがいいのかもですね。ボスとかすごく見守ってる。組み合わせ考えたり攻略サイト参考にしたりするところにパズル要素がある感じなのかも。

 そういえば昨年12月より、マンガでもなんでも1冊読んだら記事にするまで次の本に手を付けないようにしよう…と思ってやってみたら 見事にマンガすら積まれていきました …人類には早すぎた法なのかもしれない…

 ただ、1日に何冊も読んでいたときより疲れなくなったかもとは思いまして。読んだ本のことを考える時間は増えた気がするし、もうしばらく続けてみようかなと思ってます。。

 でも1巻から全部振り返るようなのはちょっと考えたほうがいいかもしれないなあとは…前からずっと読んでて5巻6巻まできているシリーズとかも多いですし。まとめておきたい性分なんですけどもね。

 ペース的には1日1冊多くて2冊くらいになるか…実際には週に何冊かになるのかなあ。今の調子だと。読んだ後に30分〜1時間くらいとれるような気もしつつ、 そうはいかん のがつらいところ。まずは月10冊くらいできたらいいな。

 あとシリーズが続くにつれきつくなる(主に前巻までの)ネタバレどうするかって話については 気にしない ことにしてこうかなと。シリーズものだからある程度は仕方ないべ。感想…になるとどうしても展開とかに触れますし。 推理小説のトリックと犯人は出さない ようにはしますが (さすがにそれはひどい)。

 そういうわけで2022年もいろいろと…去年より活動していきたいと思っていますので、今年もよろしくお願いいたします。

(という話を駆け込みでなんとか元旦に書いている有様)

(あ、はい…)

ぐだぐだしてないほうのコンビじゃん…「帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline」1〜3巻【マンガ感想】

帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline(1) (角川コミックス・エース)

 FGOでおなじみぐだぐだコンビが送る… いや完全にシリアスで別物、戦時中の帝都を舞台としたFateとは別世界の聖杯戦争

※注意:この先には登場サーヴァントのネタバレが含まれる場合があります! だいたいお察しみたいな感じですが! いいですね!

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お人好し英雄が僻地の領主でスローライフ…?「領民0人スタートの辺境領主様~青のディアスと蒼角の乙女~」1〜6巻【マンガ感想】

領民0人スタートの辺境領主様~青のディアスと蒼角の乙女~ 1 (アース・スターコミックス)

 「気は優しくて力持ち」を地で行く英雄・ディアスが辺境の地に放り出されて領民ゼロスタートから領地を発展させていく領地経営もの…ではあるのですが 本当に身一つで放り出される ので領地…いや村づくりスタートと言ったほうが正しいように思うくらい発展がゆるやか。領地経営ものと言ってよいかすらちょっと怪しい。主人公が筋骨隆々のおっさんなところも珍しいですね。

 ゆっくり人口が増えていく村のスローライフを楽しんでいる感じのほうがしっくりきます。領地経営ものってチートが入って急速に発展することが多いように思いますが、ディアスは転生者でもない普通の力自慢(ただし「力自慢」の部分は普通ではない)。むしろ考えることは苦手な部類。

 1巻目はそんなディアスが草原の遊牧民・鬼人族と出会って村づくりがスタートする巻。 鬼人族の娘アルナーが ツン → デレ → 結婚即落ち3コマ みたいな巻でもあります。いや戦士のしてのディアスは規格外を通り越していて、 男気 (だいたい文字通りの意味)を示すには十分すぎたのがいけない…

 政治的な面倒事や駆け引きも少しあったりしそうだけど全く意に介さないあたりも戦士らしいといえばそう。しかし流石に、ほんと身一つで放り出すような手配のされ方をしていて、それが知られてないってのは正直、組織としての管理能力を疑うレベルだとは思いましたけれどね…どれだけうまく横領したらそうなるんだ…

 あとメーアがかわいい。何あのふわふわしたいきもの。え、一緒に寝るの嫌がるやつおる?

領民0人スタートの辺境領主様~青のディアスと蒼角の乙女~ 2 (アース・スターコミックス)

 元部下のクラウスさんや12人のお婆さんたち、親を失った双子のセナイとアイハンも合流してゆるやかに人が増えていく巻。隣の領主エルダンとの交流で、人間と亜人(アルナーたちなど人種族以外のもの)の確執が明かされてもいきまして。村の外は平和じゃないなあ…と思いながら読んでた。

 戦や盗賊などが普通にある世界ですけれど、そっち方面は むしろディアス一人で戦力過多 みたいなところがあるし、アルナーやクラウスも並以上だしと全く心配がない。

 老婆と子どもがメンバーに入るし、まんまカエル人間のペイジンといった亜人の幅が広いことも示されているし、内も外も世界観が広がっていって良いなと思いました。

領民0人スタートの辺境領主様~青のディアスと蒼角の乙女~ 3 (アース・スターコミックス)

 畑をつくろう回。双子の素性と能力がちょっと明かされて、この土地がすこし特殊なものらしい雰囲気も出たりもしています。遊牧民が隠れ住んでいるからいわくつきなだけじゃなかった。大人が気づいてないような不思議なことを子どもが感じとっていて、でもうまく伝わらず謎っぽくなるところ好き。話を聞いているのも新しく加わった大耳飛び鼠人族(いわゆるネズミ)のエイナで、微妙に情報が全員に伝わらない感じもまた良い塩梅。

 またお酒と相談の話とか、アルナーとの距離が巻を追うごとに少しつづ縮まっているようなところも良いなあと思ってみてます。

 でも作中時間で考えるとたぶんまだ *数ヶ月くらいしか経ってない んだろうからなあ…早めに冬の準備を、と話すような段階だし。

領民0人スタートの辺境領主様~青のディアスと蒼角の乙女~ 4 (アース・スターコミックス)

 イッヌがめっちゃ増えた。戦力増強。普通の犬でも猟犬など訓練次第で強くなると思うのだけど、犬よりの亜人だから言葉も通じる。強くないわけがない…

 そして領地の外できな臭かった火種から攻め込まれる(しかも王国側に)ことになるのだけど、 落ち着いて真正面から受けて立つ あたり英雄の貫禄がありますね。まあ戦争の結果は 王国側の人望なさすぎ て「えぇ…」って感じでもあるけど。

 この作品、作画がしっかりしているからかスローライフ時ののんびりコミカルなところと戦場時の臨場感に落差がすごくて、普段はほんと「お人好しでマッチョなおっさん」くらいのディアスが戦場だと鬼のような活躍見せるところが震えますね。 強すぎてすぐ終わるけど

 また兵士だった頃のディアスのエピソードも語られたり、王族からの信頼が厚いような話も出てきたりと…今も昔もあまり変わらず一本芯のある男だったことがわかります。 怒らせると怖い ことも、 権力で制御が効かない ことも。

 ただ王子の語り口で信頼の厚さを語られるほどに、やっぱり初手草原に放り出されるって一体どうしたらそうなってしまうのかますます不思議になりますね…でもディアス一人じゃなかったらアルナーたちとの出会い方も違っていたろうし、今のようにはならなかったろうとは思うけど。

 あとは斧といい杖といい…ディアス自身にも何かしらの能力があるのかと思わせる巻。後に出てくる両親の立場とかも関係してくるのかもなあとも。

 領地の中ではスローライフ、しかしその領地が外から見たら無視できないものにもなってきていて面白くなっていくところです。クラウスお幸せに。(盛り上がって周囲が目に入ってない二人を外から遠巻きに見てる感じだしてるのが草)

領民0人スタートの辺境領主様~青のディアスと蒼角の乙女~ 5【電子書店共通特典イラスト付】 (アース・スターコミックス)

 出だしから謎の行動を取るメーア。子どもとか動物とかだけ「わかってる」感を出してくるのはオカルト的にもなんか良いよね。ホラーとは違った不思議さがあるし。この土地に何かある感じも出てきていますね。

 全般的にはコミカルスローライフ回。行商人のペイジン(弟)もリアクション芸人化していくな…アルナーのサービスカットにはディアスもついてくるのほんと草。この漫画、カバー裏とかもそうなんだけどマッチョもセットでついてくるの何なの。 仲良し夫婦なの? (そうです)

 夫婦といえばクラウスとカニスの結婚式もあって、皆で祝うところは良い村の結婚式だなあ…と。一目惚れから数ヶ月くらい…だろうからだいぶ電撃結婚だなとは思ったけどめでたいね。結婚前からカニスに頭上がらない感はあるけどね。

 ここでディアスが聖句を唱え(神父さんが式で述べるようなもの)たりと珍しい一面もあって、それも後に登場する伯父さんから両親の立場を知らされて納得する。戦場でも同じように聖句を述べていたとのことだから、普段の落ち着いた物腰とあわせてどことなく聖人っぽい貫禄があるように思われてたんだろうなとも思いますよ。そのうえで敵には無双の強さを振るうわけだから、そりゃ一緒に戦った傭兵とかからも一目置かれる。

 ディアスが昔に世話していた孤児たちと、旅にでていたベン叔父さんが一緒にやってきたりと、「草原に放り出される前」のディアスが少しだけ見えてくる話でもありました。

 それでもちょくちょくネタを挟んでくるところが草生えるけど。 ここはまさに世紀末かな? (いろいろ混ざってる気はする)

領民0人スタートの辺境領主様~青のディアスと蒼角の乙女~ 6【電子書店共通特典イラスト付】 (アース・スターコミックス)

 スローライフしている領地の外、王都や敵国などでは謀略や陰謀が渦巻いていることも物語としては説明せねばならんのだろうが たぶん耐えられなくなって画面下がバカンスになってるの草。難しい話が画面黒くなる上に退屈なのはわかるが こういう解決方法は初めてみた かもしれん…まさかの発想ですよ。

 そんで見どころは メーアの大合唱 かな…知能高い…人の言葉を理解するくらい賢い動物って話だけど、歌でコミュニケーションをとってリーダー選びとか何をしているんだろう…終わった後ディアスのフォローもまた完璧に泣かせる。こういうところなんだよなあ。

 アルナーの兄貴ゾルグも村にやってきてなんだかんだあった後に また無自覚にドラゴン殺す。もしかしてドラゴン普通に殺せる? って勘違いしそうになるね。手こずりはしたけど。

 兄貴は外の女の人に貢いで家計を傾けてたドクズ(ってアルナーの認識)らしいがそれを除けば優秀らしくて、今後も重要人物になってきそうですね。「貢いで逃げられた女の人」が実際どうだったのかはちょっと気になるけど。馬鹿な話って笑われる類のものではあるが、なんかそれだけじゃなさそうかなともね。なさそうだといいなあ。「魔力のことで俺を馬鹿にしないでいてくれたのは アルナーとあの女だけだったんだがなぁ…」って兄貴のセリフがせつなすぎて。

 兄貴はアルナーが心配で乗り込んでくるしアルナーも兄貴を嫌いきれなくて専用の弓を用意してたりと、すれ違いつつも思いやっているあたりもまたせつない。

 アルナーの性格だと表立って態度を変えることはないかなと思うけど…いや割とちょろいしな…でもドラゴン殺しでもだめだったからな…(ディアスがいるから比較がおかしくなってるのかもしれんが…)兄貴に幸あれ。

 最後に謎のメーアが現れて(ディアスが混乱して固まってるのすき)この土地の謎がますます深まり、また渡されたアイテムも貴重そうなうえに次巻への引きが珍しく不穏…どうなるんでしょうねこれ…

※DMMブックスでは2021/12/31まで1巻無料のようです! もし気になったらまず1巻だけでも!

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最強執事がお嬢様の破滅回避していたらラブコメになっていた「悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます」3巻まで【マンガ感想】

悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

 転生先が乙女ゲーの世界だったシリルが悪役令嬢ソフィアお嬢様の執事になって破滅フラグをブチ折っていく…のかと思ったらそれはだいたい1話で終わって別の意味で雲行きが怪しくなるラブコメ。傍から見ていてシリル、どう考えても惚れてまうでしょわざとやってるのかおまえ。

 乙女ゲーのシナリオ的にお嬢様と一緒に処刑される立場だった執事のシリルが自分の実を守るためにお嬢様を悪役令嬢落ちさせない…ってのはよくわかるのだけど、そういう事情で「大切に思ってるけど恋愛感情はない」ってポジションに立ってるから話がこじれるんだよなあ…(仕事で関わる主人に対しては至極真っ当な態度ですけど)

 それで王子に嫉妬する悪役令嬢ルートからは外れたものの、ソフィアお嬢様の性質そのものが大きく変わっているわけではなく闇落ちの矛先がシリルに向くか向かないのか…

 またシリルがフラグ回避に尽力した結果、闇落ちせずまっすぐ気高く育ったソフィアもむしろ正統派ヒロインの貫禄があります。ありますがたまに年相応のやきもち焼いてるのかわいい。それもまた良い。

悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます 2巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

 お嬢様から好意を向けられて困るような顔してたシリルくんおまえ絶対わざとやってるだろな2巻。制服のお披露目で口を寄せて囁くとかおまえ…おまえ…

 舞台が学園に移ってゲームの主要人物も揃ってきている2巻。裏社会に接触したり庶民派(平民の派閥)と選民派(貴族中心の派閥)がどろどろしてきたりして作品の方向もわかってくるようですね。学園内派閥と政治闘争と…あんまりわかってない12歳の第二王子と。(冷静に考えるとこの人達小学6年生なんだよ)

悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます 3巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

 その第二王子が引っ掻き回していく3巻…年相応っちゃそうですよ…むしろ他の登場人物が難しいことしてんなあって感じにもなるね…そういう面でちょっとかわいそう。でも取り巻きを諌めないと誤解は生むしね…

 それからぽよぽよしてるだけに見えてたアリシアの鋭い一面とかめげない感じとか、ヒロイン力がどんどん上がる巻。でもなんだかんだソフィアお嬢様と仲良さそうにしてるところは、原作乙女ゲーの悪役令嬢ルートとはもう別れてるんだろうとは思えるところ。

 …といっても破滅するのは原作ルートだけじゃない、むしろそこから外れても貴族社会だから普通に破滅するのかって感じも出てきましたね。うーん第二王子…

 またソフィアお嬢様の闇落ちが性格ではなく病気(感情のコントロールが難しくなる症状)だったりもして、シリルがきちんと一線をひこうとするのはビジネスマンとしては正しい。正しいけど最後に絶対わざとやってるだろお前… 天然か…? 天然なのか…?

 見ようによってはシリルがずっとソフィアお嬢様とアリシアお嬢様をたぶらかし続けてるラブコメなんでもうそれだけで大丈夫かなって思いたくなるのですけど、身分とか階級とかどろどろしたものが絡んできて裏の読み合いがスパイスにもなっててラブでコメっているだけでは済まない世界でもあり、どう乗り切るかが気になっていく話です。4巻目はどうなるのかねこの終わり方…

悪役令嬢(予定)ルートを抜けて冒険者を目指そう!「転生令嬢は冒険者を志す」3巻まで【マンガ感想】

転生令嬢は冒険者を志す 1 (FLOS COMIC)

 転生令嬢…前世の記憶とともに悪役令嬢に転生したことを悟る子ども時代から始まり、バッドエンドの運命に抗うために冒険者を目指していくセレフィー始まりの1巻。

 聖獣ルーを拾ったり(小説では)未来の皇帝からプロポーズを受けたり、学園に入学しつつ冒険者としても認められたりとむしろ順調(?)に主人公ルートを歩いているようにすら見えててほほえましい。ロマンスもありつつ少年漫画的に未来を切り開こうとするセレフィーの強さが楽しい巻です。

転生令嬢は冒険者を志す 2 (FLOS COMIC)

 そして小説主人公・マリベルと遭遇する運命の2巻。物語世界に転生するとよくある強制力、当人たちからとってすれば運命の呪いみたいなものですね…この強制力がどこまで働くのかは作品によってまちまちですけれど、そこも話に大きく関わってくる部分。

 学園に入学して女の子同士でお茶会してたりする学園サイドと冒険者として活動する冒険者サイドの2段構えになっていて、両方がうまくつながっている感じもいいですね。

 能力値的には規格外の位置づけになってるセレフィーちゃんだけど努力してきたと笑顔で言える真っ直ぐさはただのチートじゃ得られない輝きですよ。

転生令嬢は冒険者を志す 3 (FLOS COMIC)

 日常である学園に帰ってくる3巻。まあよかった…表紙もようやく(?)令嬢っぽくてかわいい巻。収録されているお茶会エピソードにも絡んでドレスなんだろうかな。

 運命の強制力やマリベルの主人公補正がどれくらいのものかはまだ謎のままですけれど、それらが明かされるにはまだ早い…世界観的にも割と厳しいこともちらっと出てきて、主人公(令嬢)の視点から全部見えているわけではない厳しさみたいなものが感じられて面白いです。(しかしよくよく思えば前世小説での悪役令嬢ルート、婚約破棄で追放されてから敵国に拾われ生物兵器扱いで最後処刑っぽいから全然穏当な世界ではなかったな…)

 セレフィーたちの立場からではマリベルはただの侵入者なので、マリベル側の状況が全く見えないところも不気味に思えますね。小説主人公なんだけどな…

 みたいな2巻の後日談的なところを終えて学園に帰ってきてドMが一人増えた「お茶会」と呼ばれた修行したりとほほえましい日常が戻ってきた(ほほえましい)。しかし女を捨てて騎士に生きるみたいなこともなく、女性は女性のままで騎士になることに意味があるような視点は良いなと思います。「男と同じことできるなら男でいい」ってのはそういうことだよなあ。

 またセレフィーが小説物語から大きく外れたように、小説では敵国となっていたギレンもだいぶ印象違っているように思えるからそちらがどう動いていくか今後の気になるところです。あの人も登場人物枠ではあるんだけど強制力でどうこうって性格でもなさそうだし、逆にセレフィーの理解者にまでなりそうって気はするんですよね…次巻はそんな彼が話の中心になりそうなので楽しみですよ。

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「りゅうおうのおしごと!」15巻特典小冊子はずっと銀子ちゃんを愛でているだけの時間だった

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 …などと供述する感想はタイトルくらいにしかかけない。読む順番が「本編→小冊子」になるのだから最初にコレがきても仕方ないよね? 著者当人も「本編から隔離したことで封印を解いた」くらい書いてる内容なので仕方ないね。

 本編は…不穏で衝撃的、かつメインで動いていた二人がいなくなったことで周りがより積極的に動き始めるラストからどうなるかと思っていたけど意外となんかいつものノリであれっと思ったり安心したり。八一とあいがここまで完全に別行動になるのは本編初だと思いはするけど決断の早い二人が動いた感じです。

 しかし読み始めて出足から距離が近い。今回はそういう話。

 仕事を絡めて言い訳を用意して逃げ道をなくしつつ囲っていく供御飯さんと真正面から財力で殴って自分色に染めてく天ちゃんに同時に詰められてく竜王って構図になってて見てるこっちは面白い…これが二面打ちかただ流されてるだけではないのか…でも最後の最後に流されなかったのはメンタル強いな八一って思いました。本当にロリコンなのかのもしれないあいつ。供御飯さんは終盤まで行ってしまったけど天ちゃんはまだ序盤っぽいから次巻が本番かもしれないですね。

 また本編で「棋書の執筆」をメインに当ててるのも珍しく面白かった。将棋の専門書…みたいなものって理解で良いんだろうか。担当編集も専門家(さらにそのなかでもトップクラス)なわけで捗るだろうなこれ…

 将棋のような勝負事を書いた作品だと、どうしても「勝負の強さ」にフォーカスが当たることが多いように思いますが、今回はその強さとは別の仕事や生き方、価値観にもスポットライトが当たって噛み合っているところがほんと良かった。純粋な将棋の強さとは別の指標があるような。

 今回だと「考えをまとめてアウトプットする能力」みたいなところ。八一だけでは絶対ムリだったうなってところがまたね。知識をまとめて形にするのは思ったより大変で…専門的なものとまで言うと大仰だけど、たとえば趣味でも好きなものでも説明したり文にまとめたりするのってやっぱりすんなりとはいかないんですよ。

 一方であいちゃんのほうは、「女流棋士」としての生き方みたいなところにフォーカスがあたっててこっちもまた良い。あいちゃんサイドもまた、純粋な強さだけの話ではなくて、仕事としての女流棋士とか、また女性特有の体調の話とかが女流棋士の視点から語られてるのも面白かったです。こちらも「将棋の強さ」だけではない、全てひっくるめた生き様の話でもあって。「全部手に入れる」って決めた人は強いですね。でも最後はなかなかダイナミックな対戦になってしまった…体調不良でピンチと思ったら更に上を行く体調不良とは…その大変さは俺にはわからないからなんともいえない…

 で、ザッピングしながら進んできた八一とあいちゃんのストーリーがぶつかるのが第五譜の章。ここまで本編を読んできた人には分かる、タイトル扉絵の時点ですでに熱い予感しかしない。供御飯さんが八一の影響から本来の自分の打ち筋を解放していくようなところも、「名人は自分の打ち筋や考えを広めることで結果的に自分有利な展開になっていた」と語っていた布石の回収も、八一から離れることでより客観的に明らかにされたあいの暴力的な異常性も全部混ざって全部熱い。それに「勝負事が時の運」ってことを体現してるような作品でもあるし、1戦単位ではどう転ぶのかわからない。

 第五譜から最後までは…勝負後の展開も含めて一気に読み切る感じです…読み終わってみたらすごく恋愛してましたな今回。本文中のテーマでもあった「(ソフトが導き出して)詰みだと思ったところは実は詰んでいない」って話に引っ掛けているような感じも受けて。

 そして15巻のラストも本文の意を組んだようなイラストで締める姉弟子、この作品本当に挿絵までセットでひとつになっているの素晴らしい。14巻が逆の意味でイラストのパワーを使ってたからそれと対比しちゃうところある。

 物語としてはまだまだ続きそうな16巻目は…どうなるのかなあ。感想戦と呼ばれる次回予告でまた爆弾を落としていくスタイルだし。それはいわゆる死亡フラグなんじゃがどう…どうするんじゃ…?

 それからね。今巻は女流棋士:鹿路庭たまよんがメインだったのもよかったよ。一見ゆるふわで頭の切れる毒舌系女子大生だもん。よくないわけがない。りゅうおうのおしごと!」って群像劇っぽいところがあって、登場人物を切り替えることで八一やあいちゃんでは見えないところを視点にして話せるから強い。あいちゃんがめっちゃ共感してたのは草。ある意味で5・6歳程度の年の差は、大人になったら大したことでもなくなるモデルケースでもあるのかもしれないからな。

「りゅうおうのおしごと!」5巻、10巻、12巻、15巻の小冊子収録した電子書籍版が期間限定で発売!

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期間限定で小冊子収録の電子版が出るらしい!

 2021年9月14日~11月15日の期間限定で、紙の限定版に付属していた小冊子を収録した電子版が出るみたいです!

 私が知ったのはAmazon(Kindle)ですが…BOOK☆WALKERでも予約を開始しているので、販売開始したら他のストアでも購入可能になると思います。

 また最新刊となる15巻だけではなく、過去に発売された5巻、10巻、12巻についても、紙の限定版に付属していた小冊子を収録した電子書籍がこの期間に発売されるとのこと。

 もし買い逃していたらこの機会に是非!

最新15巻 (2021/9/14発売予定)

12巻

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 まるごと一冊空銀子。

 空銀子設定集に空銀子ギャラリーからゲストイラストレーション(空銀子)と描き下ろし短編(爆ぜろ)

 銀子ちゃんイラストはいいですね…かわいく凛々しい。ゲストはシュッとしてる。短編はただのバカップ

10巻

 ごめん10巻は感想記事がねぇや…女流棋士編の設定集+ゲストイラストギャラリー+描き下ろし短編。またも並ぶ素敵イラストの中に黒のセパレート水着…「なぜ空銀子はかわいいのか?」哲学的な問いですね…そして八一が最高に気持ち悪い(褒め言葉)

5巻

 5巻の小冊子はキャラクター設定集+ゲストイラストギャラリー+ゲスト短編。ずらりと並ぶ素敵なイラストがかわいいです。またさがら総先生による銀子ちゃん大勝利ストーリーも最高。思えばこれが予言の書なのか…どうなる…?

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