怒濤の詰ん読解消日記

つんどくダイアリー

わりと好き勝手書いてるからネタバレてたらごめんね。旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと740冊

最強執事がお嬢様の破滅回避していたらラブコメになっていた「悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます」3巻まで【マンガ感想】

悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

 転生先が乙女ゲーの世界だったシリルが悪役令嬢ソフィアお嬢様の執事になって破滅フラグをブチ折っていく…のかと思ったらそれはだいたい1話で終わって別の意味で雲行きが怪しくなるラブコメ。傍から見ていてシリル、どう考えても惚れてまうでしょわざとやってるのかおまえ。

 乙女ゲーのシナリオ的にお嬢様と一緒に処刑される立場だった執事のシリルが自分の実を守るためにお嬢様を悪役令嬢落ちさせない…ってのはよくわかるのだけど、そういう事情で「大切に思ってるけど恋愛感情はない」ってポジションに立ってるから話がこじれるんだよなあ…(仕事で関わる主人に対しては至極真っ当な態度ですけど)

 それで王子に嫉妬する悪役令嬢ルートからは外れたものの、ソフィアお嬢様の性質そのものが大きく変わっているわけではなく闇落ちの矛先がシリルに向くか向かないのか…

 またシリルがフラグ回避に尽力した結果、闇落ちせずまっすぐ気高く育ったソフィアもむしろ正統派ヒロインの貫禄があります。ありますがたまに年相応のやきもち焼いてるのかわいい。それもまた良い。

悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます 2巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

 お嬢様から好意を向けられて困るような顔してたシリルくんおまえ絶対わざとやってるだろな2巻。制服のお披露目で口を寄せて囁くとかおまえ…おまえ…

 舞台が学園に移ってゲームの主要人物も揃ってきている2巻。裏社会に接触したり庶民派(平民の派閥)と選民派(貴族中心の派閥)がどろどろしてきたりして作品の方向もわかってくるようですね。学園内派閥と政治闘争と…あんまりわかってない12歳の第二王子と。(冷静に考えるとこの人達小学6年生なんだよ)

悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます 3巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

 その第二王子が引っ掻き回していく3巻…年相応っちゃそうですよ…むしろ他の登場人物が難しいことしてんなあって感じにもなるね…そういう面でちょっとかわいそう。でも取り巻きを諌めないと誤解は生むしね…

 それからぽよぽよしてるだけに見えてたアリシアの鋭い一面とかめげない感じとか、ヒロイン力がどんどん上がる巻。でもなんだかんだソフィアお嬢様と仲良さそうにしてるところは、原作乙女ゲーの悪役令嬢ルートとはもう別れてるんだろうとは思えるところ。

 …といっても破滅するのは原作ルートだけじゃない、むしろそこから外れても貴族社会だから普通に破滅するのかって感じも出てきましたね。うーん第二王子…

 またソフィアお嬢様の闇落ちが性格ではなく病気(感情のコントロールが難しくなる症状)だったりもして、シリルがきちんと一線をひこうとするのはビジネスマンとしては正しい。正しいけど最後に絶対わざとやってるだろお前… 天然か…? 天然なのか…?

 見ようによってはシリルがずっとソフィアお嬢様とアリシアお嬢様をたぶらかし続けてるラブコメなんでもうそれだけで大丈夫かなって思いたくなるのですけど、身分とか階級とかどろどろしたものが絡んできて裏の読み合いがスパイスにもなっててラブでコメっているだけでは済まない世界でもあり、どう乗り切るかが気になっていく話です。4巻目はどうなるのかねこの終わり方…

悪役令嬢(予定)ルートを抜けて冒険者を目指そう!「転生令嬢は冒険者を志す」3巻まで【マンガ感想】

転生令嬢は冒険者を志す 1 (FLOS COMIC)

 転生令嬢…前世の記憶とともに悪役令嬢に転生したことを悟る子ども時代から始まり、バッドエンドの運命に抗うために冒険者を目指していくセレフィー始まりの1巻。

 聖獣ルーを拾ったり(小説では)未来の皇帝からプロポーズを受けたり、学園に入学しつつ冒険者としても認められたりとむしろ順調(?)に主人公ルートを歩いているようにすら見えててほほえましい。ロマンスもありつつ少年漫画的に未来を切り開こうとするセレフィーの強さが楽しい巻です。

転生令嬢は冒険者を志す 2 (FLOS COMIC)

 そして小説主人公・マリベルと遭遇する運命の2巻。物語世界に転生するとよくある強制力、当人たちからとってすれば運命の呪いみたいなものですね…この強制力がどこまで働くのかは作品によってまちまちですけれど、そこも話に大きく関わってくる部分。

 学園に入学して女の子同士でお茶会してたりする学園サイドと冒険者として活動する冒険者サイドの2段構えになっていて、両方がうまくつながっている感じもいいですね。

 能力値的には規格外の位置づけになってるセレフィーちゃんだけど努力してきたと笑顔で言える真っ直ぐさはただのチートじゃ得られない輝きですよ。

転生令嬢は冒険者を志す 3 (FLOS COMIC)

 日常である学園に帰ってくる3巻。まあよかった…表紙もようやく(?)令嬢っぽくてかわいい巻。収録されているお茶会エピソードにも絡んでドレスなんだろうかな。

 運命の強制力やマリベルの主人公補正がどれくらいのものかはまだ謎のままですけれど、それらが明かされるにはまだ早い…世界観的にも割と厳しいこともちらっと出てきて、主人公(令嬢)の視点から全部見えているわけではない厳しさみたいなものが感じられて面白いです。(しかしよくよく思えば前世小説での悪役令嬢ルート、婚約破棄で追放されてから敵国に拾われ生物兵器扱いで最後処刑っぽいから全然穏当な世界ではなかったな…)

 セレフィーたちの立場からではマリベルはただの侵入者なので、マリベル側の状況が全く見えないところも不気味に思えますね。小説主人公なんだけどな…

 みたいな2巻の後日談的なところを終えて学園に帰ってきてドMが一人増えた「お茶会」と呼ばれた修行したりとほほえましい日常が戻ってきた(ほほえましい)。しかし女を捨てて騎士に生きるみたいなこともなく、女性は女性のままで騎士になることに意味があるような視点は良いなと思います。「男と同じことできるなら男でいい」ってのはそういうことだよなあ。

 またセレフィーが小説物語から大きく外れたように、小説では敵国となっていたギレンもだいぶ印象違っているように思えるからそちらがどう動いていくか今後の気になるところです。あの人も登場人物枠ではあるんだけど強制力でどうこうって性格でもなさそうだし、逆にセレフィーの理解者にまでなりそうって気はするんですよね…次巻はそんな彼が話の中心になりそうなので楽しみですよ。

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「りゅうおうのおしごと!」15巻特典小冊子はずっと銀子ちゃんを愛でているだけの時間だった

りゅうおうのおしごと!15【小冊子収録版】 (GA文庫)

 …などと供述する感想はタイトルくらいにしかかけない。読む順番が「本編→小冊子」になるのだから最初にコレがきても仕方ないよね? 著者当人も「本編から隔離したことで封印を解いた」くらい書いてる内容なので仕方ないね。

 本編は…不穏で衝撃的、かつメインで動いていた二人がいなくなったことで周りがより積極的に動き始めるラストからどうなるかと思っていたけど意外となんかいつものノリであれっと思ったり安心したり。八一とあいがここまで完全に別行動になるのは本編初だと思いはするけど決断の早い二人が動いた感じです。

 しかし読み始めて出足から距離が近い。今回はそういう話。

 仕事を絡めて言い訳を用意して逃げ道をなくしつつ囲っていく供御飯さんと真正面から財力で殴って自分色に染めてく天ちゃんに同時に詰められてく竜王って構図になってて見てるこっちは面白い…これが二面打ちかただ流されてるだけではないのか…でも最後の最後に流されなかったのはメンタル強いな八一って思いました。本当にロリコンなのかのもしれないあいつ。供御飯さんは終盤まで行ってしまったけど天ちゃんはまだ序盤っぽいから次巻が本番かもしれないですね。

 また本編で「棋書の執筆」をメインに当ててるのも珍しく面白かった。将棋の専門書…みたいなものって理解で良いんだろうか。担当編集も専門家(さらにそのなかでもトップクラス)なわけで捗るだろうなこれ…

 将棋のような勝負事を書いた作品だと、どうしても「勝負の強さ」にフォーカスが当たることが多いように思いますが、今回はその強さとは別の仕事や生き方、価値観にもスポットライトが当たって噛み合っているところがほんと良かった。純粋な将棋の強さとは別の指標があるような。

 今回だと「考えをまとめてアウトプットする能力」みたいなところ。八一だけでは絶対ムリだったうなってところがまたね。知識をまとめて形にするのは思ったより大変で…専門的なものとまで言うと大仰だけど、たとえば趣味でも好きなものでも説明したり文にまとめたりするのってやっぱりすんなりとはいかないんですよ。

 一方であいちゃんのほうは、「女流棋士」としての生き方みたいなところにフォーカスがあたっててこっちもまた良い。あいちゃんサイドもまた、純粋な強さだけの話ではなくて、仕事としての女流棋士とか、また女性特有の体調の話とかが女流棋士の視点から語られてるのも面白かったです。こちらも「将棋の強さ」だけではない、全てひっくるめた生き様の話でもあって。「全部手に入れる」って決めた人は強いですね。でも最後はなかなかダイナミックな対戦になってしまった…体調不良でピンチと思ったら更に上を行く体調不良とは…その大変さは俺にはわからないからなんともいえない…

 で、ザッピングしながら進んできた八一とあいちゃんのストーリーがぶつかるのが第五譜の章。ここまで本編を読んできた人には分かる、タイトル扉絵の時点ですでに熱い予感しかしない。供御飯さんが八一の影響から本来の自分の打ち筋を解放していくようなところも、「名人は自分の打ち筋や考えを広めることで結果的に自分有利な展開になっていた」と語っていた布石の回収も、八一から離れることでより客観的に明らかにされたあいの暴力的な異常性も全部混ざって全部熱い。それに「勝負事が時の運」ってことを体現してるような作品でもあるし、1戦単位ではどう転ぶのかわからない。

 第五譜から最後までは…勝負後の展開も含めて一気に読み切る感じです…読み終わってみたらすごく恋愛してましたな今回。本文中のテーマでもあった「(ソフトが導き出して)詰みだと思ったところは実は詰んでいない」って話に引っ掛けているような感じも受けて。

 そして15巻のラストも本文の意を組んだようなイラストで締める姉弟子、この作品本当に挿絵までセットでひとつになっているの素晴らしい。14巻が逆の意味でイラストのパワーを使ってたからそれと対比しちゃうところある。

 物語としてはまだまだ続きそうな16巻目は…どうなるのかなあ。感想戦と呼ばれる次回予告でまた爆弾を落としていくスタイルだし。それはいわゆる死亡フラグなんじゃがどう…どうするんじゃ…?

 それからね。今巻は女流棋士:鹿路庭たまよんがメインだったのもよかったよ。一見ゆるふわで頭の切れる毒舌系女子大生だもん。よくないわけがない。りゅうおうのおしごと!」って群像劇っぽいところがあって、登場人物を切り替えることで八一やあいちゃんでは見えないところを視点にして話せるから強い。あいちゃんがめっちゃ共感してたのは草。ある意味で5・6歳程度の年の差は、大人になったら大したことでもなくなるモデルケースでもあるのかもしれないからな。

「りゅうおうのおしごと!」5巻、10巻、12巻、15巻の小冊子収録した電子書籍版が期間限定で発売!

りゅうおうのおしごと!15【小冊子収録版】 (GA文庫)

期間限定で小冊子収録の電子版が出るらしい!

 2021年9月14日~11月15日の期間限定で、紙の限定版に付属していた小冊子を収録した電子版が出るみたいです!

 私が知ったのはAmazon(Kindle)ですが…BOOK☆WALKERでも予約を開始しているので、販売開始したら他のストアでも購入可能になると思います。

 また最新刊となる15巻だけではなく、過去に発売された5巻、10巻、12巻についても、紙の限定版に付属していた小冊子を収録した電子書籍がこの期間に発売されるとのこと。

 もし買い逃していたらこの機会に是非!

最新15巻 (2021/9/14発売予定)

12巻

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 まるごと一冊空銀子。

 空銀子設定集に空銀子ギャラリーからゲストイラストレーション(空銀子)と描き下ろし短編(爆ぜろ)

 銀子ちゃんイラストはいいですね…かわいく凛々しい。ゲストはシュッとしてる。短編はただのバカップ

10巻

 ごめん10巻は感想記事がねぇや…女流棋士編の設定集+ゲストイラストギャラリー+描き下ろし短編。またも並ぶ素敵イラストの中に黒のセパレート水着…「なぜ空銀子はかわいいのか?」哲学的な問いですね…そして八一が最高に気持ち悪い(褒め言葉)

5巻

 5巻の小冊子はキャラクター設定集+ゲストイラストギャラリー+ゲスト短編。ずらりと並ぶ素敵なイラストがかわいいです。またさがら総先生による銀子ちゃん大勝利ストーリーも最高。思えばこれが予言の書なのか…どうなる…?

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「昭和オトメ御伽話」全5巻【マンガ感想】

昭和オトメ御伽話 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 舞台は昭和3年の神戸にて、黒咲家の常世お嬢様とその幼馴染、志摩仁太郎の恋物語。「大正処女御伽話」の続きでもある。けどメインはちゃんとこの二人。こちらも全5巻と巻数は短いけど、子供時代から大人まで結構な年月が詰まっています。

 ほんわかした絵柄はそのままなのだけど今作は最初からずっと甘くて黒い死のにおいがつきまとっているよう。また仁太郎の名字で察するように、志摩の一族も深く関わってきます。むしろ本領発揮。珠代さんの。本当にな。また3巻がひどいことに…どうしてこうなってしまうのか…成していることは完全に狂人のそれなのだけれど、どこか最後はもの哀しい。たぶんどれほどのことをしても「仁太郎のため」であることに彼女の中で違いはなかったから、だから仁太郎も恨まず向き合えたのかとすら思う。

 思えば前作も試練の連続だったけれど、今作も3〜5巻がやはり苦難。平穏になりそうでならない…昔の日本といえば…みたいな病気が出てきたときはほんといろいろ覚悟します。ただもっとまずいの、もうちょっと昭和を進めると世界規模のイベントが始まってしまうところだよ…今度はそっちか…

 巻数から察せられるように、後半は時間の流れが速くて。世界規模のイベントあたりはほんと駆け足。でも常世の周りの人たちがどんどん変化したり収まるところに収まったりしていくのをダイジェストで書かれているような進行が逆に、周りから置いてきぼりにされていることを強く感じさせるようになっていたのかもしれない。

 この作品、たびたび主人公たちは死のうとする。正直「死んだほうが楽」って場面もないわけではない…と思うし、もし何かが噛み合ってしまったら手放してたろうにと思わなくもない。「生きててほしい」と諭した相手が先にいなくなって、諭した言葉が全部自分に返ってきたりもして。けど最後まで読めてよかったと思います。本当に最後は綺麗に終わったと思う。

 今はここまでみたいだけど、連作みたいな感じで続いていくのかなあ。だったら嬉しい。

 あと、「大正処女御伽話」の後日譚としても、見知った名前がいっぱい出てきて楽しめました。こういうの好きです。ただ珠彦だけは存在が匂わされてる程度なんだよね…夕月はがっつり出てきてるのに。白鳥兄はあれか、珠子がいるからか。

 今作は成長した珠子も主要キャラとして動いているからとても良い。でも正直大きくなったなあ…って感じの近所のおじさん目線になるところに老いを感じる…子どもの成長早すぎんか…

 それからそういう時代だからかもしれないけど、大正時代より「やりたいこと」をみつけていくことにフォーカスが当たってるように思います。常世もめぐり合わせがあったけど子どもの頃から夢だったパーラーをやろうとするし、リゼも洋裁に目覚めるし。珠子ちゃんは昔からお医者さんだしね。皆がやりたいことを見つけていくようなところがとても素敵ですよ。珠代さんは超例外かもしれないけど、落ち目とはいえ昭和の時代に20代で財閥当主って相当じゃない…思えばあの人が一番、やりたいことに躊躇なかったのかもな…

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「大正処女御伽話」全5巻【マンガ感想】

大正処女御伽話 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 ジャンプ+で大正処女御伽話-厭世家ノ食卓- って連載が始まっていて、どうやら本編があるらしいと2巻まで読んでみたのが最初。「処女」と書いて「オトメ」と読ませるのは馴染みがないのだけど、昔言葉だったりするのかなあ。

 大正十年を舞台に、事故で右手が効かなくなり放逐されたひねくれものの青年と、借金のカタにその将来の嫁として充てがわれた少女の恋物語。シチュエーションと時代背景から陰惨なものになってもおかしくないけれど絵柄と夕月の人徳でほっこりしたストーリーになっててとても良い。良いんだけど良いって言って良いのかわからんような気持ちも同時に感じさせるの。

 もう5巻で完結している作品で、2巻までは千葉の田舎に厄介払いされた珠彦青年と、そこにやってきた夕月の日々の暮らしで時間が過ぎていきます。冒頭で紹介したスピンオフ連載もこの頃の話でけなげな夕月にほだされてく珠彦の様子がよくわかると思います。やってきた妹ちゃんとか村の意地悪な美少女とかひねくれものがことごとくほだされていく。

 このままゆるゆる年月を重ねていくんだな…って思ってたら2巻終わりからの急展開

大正処女御伽話 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 すっかり平和すぎて大正十二年に何が起こるのか って全く意識の外で…日常から非日常に一気に叩き込まれる気分まで味わうことになりました。珠彦の「誕生日(9/1)にはろくなことがない」みたいなのもずっと伏線だった。ジャンプ+での無料公開2巻までになっているの絶対わかってやってるとおもいます。続き買うしか無いじゃない…

 ここがターニングポイントになって3、4、5巻で決着するまでが怒涛の展開。「羅刹」と呼ばれた志摩の一族と珠彦がどう向き合っていくかが本題になります。大正当時の男尊女卑、家父長制の価値観は今の間隔からすると異常に感じるところもあって、昔の話ではあるけどきつい。ただそういう時代だからこそ珠彦は覚悟を決めていったのかもしれないし。親子の関係も含めて良い方向に向かうのかも、と思うときもあったけど。いや多分、何も邪魔がなければ良い方向に向かっていたんだろうって思うとやっぱり諸悪の根源は珠代さんだよ。

 そして登場人物の(特に夕月の)日常や雰囲気はほっこりしたままでもあるので、落差の激しさにまた悶えることに。はじめから陰惨な話なら読んでいる側も心構えができるのだけどそうではない。むしろ大正十二年にぶつけてきてるあたり容赦なくどう転がるかわからない。御伽話って「本当は怖い」とか言われたりするじゃない…

 「厭世家ノ食卓」のほっこり加減につられて本編も読み始めたらまたすごいところに来てしまった感じがあり、いやでもふとしたきっかけで読めて良かったとも思ってます。

 また別シリーズになっていますが「昭和オトメ御伽話」は本作の続編でもあり後日談でもあるので、もし本作気に入れば続けて読むことおすすめです。「羅刹」の本領はこちらのほうが発揮されているまである…想像以上にやばい人だよ珠代さんは…

 2021年10月からアニメも始まるみたいです。キャラ紹介に白鳥策とことりちゃんがいるってことは5巻完結までちゃんとやるのかな。先に全部読んじゃったのもったいなことをしたかもしれないって気持ちはちょっとあります…

taisho-otome.com

 7/23に始まったスピンオフも。こっちは平和なはず。羅刹の影に怯えなくて済む。本編に疲れたら帰ってくる場所。時間軸が初期のものだから懐かしいようなキャラの関係性がリセットされててもやるような…

shonenjumpplus.com

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【マンガ感想】めっちゃ増えてる異世界系マンガ作品で3巻越えしてるやつまとめてみた (3)【2021】

前回

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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました (既刊9巻)

スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 9巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

 かわいい。そしてほのぼのする。だいたい平和なスローライフアットホームコメディ。

 社畜から転生した高原の魔女アズサ(不老不死)が田舎の村で300年間スライムを倒しつつスローライフを送っていたらレベルが最強になってたみたいな出だしでチリツモにもほどがあるんだけどそのあたりはもうあまり関係ない。ゆるゆると仲間がふえていって(かわいい)わいわい交流の幅を広げていきます。ママとか娘とかできてホームコメディみたいな感じになってるね。しかもほぼほぼ女子しかでてこないからとても安心。ずっと眺めていられますし給仕服ライカちゃんの可愛さは異常。イキったドラゴンだったのに。それもまた良し。

 この丸っこい感じの絵柄がまたかわいくて作品の雰囲気にとてもよく合ってて、ゆるかわ風味を出している最高です。

老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます (既刊8巻)

老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます(8) (シリウスコミックス)

 少女がたくましく生きるFUNAさん(原作者)の異世界転移ものだよ! たくましすぎてやばい!

 天涯孤独の少女ミツハがひょんなことから異世界転移できるようになって老後の資金20億(=金貨8万枚)を貯めよう! ってタイトルそのまんま目標にして。

 持ってる能力は異世界と現代を行ったり来たりできる転移能力。使いようによっては強力な能力ではあるけど、それを生かしているのはミツハのタフさ…いやなんだ、コネと度胸と才覚かな?

 傭兵に渡りをつけてるのも領地を収めるようになったのも最早チート能力関係ないよなぁ…と思えるくらい勢いよく大活躍しててすきです。

ポーション頼みで生き延びます! (既刊8巻)

ポーション頼みで生き延びます!(8) (シリウスコミックス)

 少女がたくましく生きるFUNAさん(原作者)の異世界転移ものだよ! たくましいって言うか、つよい…

 異世界転生したカオルがポーション生成能力だけを頼りに世間を渡り歩いていく…ってタイトルに間違いはない…間違いはないんだけど頼みにしてるのは本当にポーションなのか…立ちはだかるものすべて論破していくカオルの明日はどっちだ…

 基本的にはカオルがポーションでやらかして寄ってきたお偉いさんがざまぁされて国を離れるパターンになりつつある。戦争始まったあたりは人から神がかったものみたいになっていってるように思えたけど、一段落してパートナー探し(婚活なのか…?)の旅となってからはまたいつもの平和にやらかす感じになっててちょっとよかった。

 でもこの調子であるのかな出会い…正体を知られたら騒ぎになるから定住できない、みたいなところもちょっと不憫に思う。物語としてはいろいろな国を回ったほうが面白いのかもしれないけど、どこかでときめきがあってもいいんじゃなかろうか。

デッドマウント・デスプレイ (既刊7巻)

デッドマウント・デスプレイ 7巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)

 向こうの災厄がこっち来ちゃった…と言えばいいのか。一話から一筋縄ではいかない逆異世界転生。転生…転移…? ぶっとんだ登場人物がどんどん増えていくところがおなじみ成田節です。すべてを引っ掻き回す怪人ソリティアみたいなのがいるのも成田節。あのおっさんの掴みどころのなさは流石だよ…

 元の世界とのつながりがこちら側にもあることを匂わせつつ事件屋のようなことをしていくのかと思っていたら割とガッツリ絡んできていてむしろその因縁がメインか。バトルものではないと思うのだけど、向こう側から持ってきた死霊術師の力や常人離れした人間の力が思う存分表現されててお祭り騒ぎです。種族進化していくミサキちゃんがどこに行き着くのか私気になります。終盤ぜったいすごいことになってそう。

 またこの「明らかに異質な能力」VS「常識から一歩外にいる人外」感がとても自然でうまいと思うんですよ。異世界の死霊術はこちらの常識から考えると明らかに異常なんだけど、だからこそ協力する人間も相対する人間も異質さが際立つ。でもいや絶対いねーだろって思いつつ、もし隣にいたとしてもまあそうだよねって感じの存在感。なんだかんだいって主人公そのまま受け入れられてるようなところも含めて好きな雰囲気です。向こうでは災厄扱いだった主人公も、こちらでは平穏にたどり着けるとよいね…

世界最強の後衛 〜迷宮国の新人探索者〜 (既刊4巻)

世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~ 4 (MFC)

 現世で命を落とした人を冒険者として招きいれ、迷宮を攻略させることで成り立っている国に転移したアリヒトがパーティとともに迷宮攻略していく物語。主人公がずば抜けたサポート特化タイプで、パーティメンバーを支援しつつ危機を切り抜けていくところが面白いです。アリヒトの職業は特殊さ匂わせているしサポート特化しているぶん強みはあるけど、他チームメンバーの職業、スキルも個性的に割り振られていてそれぞれ強み弱みがあり十分強い。そしてそんな全員が能力を駆使して突破する、楽勝とはいかないボスモンスターの緊張感。その雰囲気にあった絵柄も読みやすい。ハーレムっぽくなりそうでならないけどすでになっているのではみたいなところもどうするのかな…?

 支援職が主人公なのもあってか、登場人物(パーティメンバー)はどんどん増えていって連携しつつ進めていくところも良いですね。あと(漫画だとわかりづらいかもだけど)装備/スキル/パラメータなどデータが細かい。管理大変そうだなって思ってしまう…

 レベルを上げつつスキルを取って装備を整え迷宮攻略を進めていくところがRPGっぽい雰囲気があってお気に入りのシリーズです。

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