怒濤の詰ん読解消日記

つんどくダイアリー

旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと740冊

オッサンが熱くて姉弟子がちょろい「りゅうおうのおしごと!」7巻【ラノベ感想】

りゅうおうのおしごと!7 (GA文庫)

 オッサンであればあるほど読後に胸が熱くなる近年まれに見る名著。最強ロリコンアニメが放映されているタイミングに合わせた巻のはずなのにどうしてこうなった。

オッサンの熱いストーリー

 「名人になりたい」から始まった今巻はそのプロローグからオッサン回であることが予想されましたが予想を上回るオッサン回。つまり清滝師匠が最高に格好良い回。

 しかし典型的な「老害」のクッションがあったところがポイントでもあって。それが「老い」と「経験から来る驕り」であるところも身につまされます。特にアレだよ「老いには勝てないと諦めつつも勝負の興奮だけは忘れられなくてパチスロとかスマホゲーに課金する」みたいなところは涙なしには読めない。あのへん完全に運なのにあたかも自分が何かをやってやったかのように錯覚するんだよなあ…(悪いとは言ってない)

 一方で、情熱があれば年代は関係ないことが輝く話でもあり、そうすると逆にこの経験値の差が一気に価値を持ってくる。若手vsロートルみたいな話でもあるけど、新しいものが常に良いとも限らないですし、今の知識をもって過去を見直すとまた違うものが見えることもある。歩夢が将棋の戦法をファッションに喩えていたのは的を射ているのかも。ファッションに限らず流行全般かもしれない。

 前半と後半の温度差、そしてラストまでの流れはほんと好きです。特に最後の〆はホントに良い。結果だけ見るとご都合主義的なところがあるように思えるけど、読後の感想としては成るようになった流れでは、とも思います。

 「勝つことしか意味が無い」みたいな世界観の中で、それ以外の意義を見いだしつつ前に進めていった話だったかもしれない。これもオッサンの成せる技。

 あとこんなオッサン回の中で淡々と歩を進める天衣ちゃんの尊さ。ロートルの喜怒哀楽が前面に出てきたこの巻だからこそより強く思う…やっぱり小学生は最高だぜ!

完全に切り離せなくなったソフト

 もうコレなしでは成り立たないのでは…と言えるくらいに存在感を増している将棋ソフトでの研究。会話の端々に普通に出てくるようになってて。シリーズが進むごとにソフトの進化、実用がどこまで行くのかだんだん楽しみになってきたところもあります。実際の将棋界でもそうなのかなあ。

 新戦法による新陳代謝みたいなこと自体は、今までの歴史の中でもままあることで、そうやって進化してきたのだろうと思いますが、ソフトの恐ろしいところはそのサイクルを高速で回して新陳代謝した結果をはじき出し、それを元にさらに新陳代謝を繰り返していくようなところなのではと思います。文字通り人智を超えている。物理的な意味でも。

 ただその成果をもっても最後に闘うのは人間同士で、そこに揺らぎが出る先の読めなさが面白さとして残るのだろうとも思います。

 それはそれとしてもう一つ面白いと思ったのは、創多が八一の状態を「過学習」と例えていたのも言い得て妙でした。機械学習なんかで偏った学習データを投入しすぎて、逆に上手く判定できなくなるようなことなのですけど、人が積む「経験」にもそういうところがあるのかなと。

 また八一そのものについても、今の常識を打ち破る力みたいな主人公力があるとして、それがソフトとの類似点で示されているのも興味深く、銀子が昔から将棋星人みたいな宇宙人扱いしてるのと根は一緒なのかもしれないとも。どちらも人間じゃないってことですからね。

銀子にゃんのちょろさが加速している

 デンジャラス・ビースト…!

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(参考資料:「Fate/Grand Order」)

 なんだこの。なんだ。八一おまえ。

 この他にも花嫁衣装風ブーケとか笑顔で夫婦善哉ツーショットLINEを送りつけたりとかノリノリである。勢いを増してきた感じが実に良い。

 最初は割と当て馬っぽい感じがあったんだけど最近ではむしろ姉弟子のほうが押してる感じすらある。もともとは順当に行けば大本命みたいなところでしたから。前巻の決意がそうさせるのか。5巻の小冊子でも大勝利してたしな。

 雛鶴父のエピソードから間接的に血筋の強さを思い知らされるあいちゃんとのさらなる死闘が繰り広げられること間違いないですが姉弟子を応援しています。

 ドラマCDのほうはまたロリコンかと思ったら割とまっとうなクイズで始まり姉弟子とあいの抗争で終わる。愛が重い。

 通常版と限定版で表紙のキャラクターががらっと変わってますね。そして巻頭のカラーイラストには二つの表紙を繋げた折り込みが入ってます。良い

 さいごに本編とは関係ないですが、母の歳が近いこともあり、あとがきの内容は胸にくるものがありました。ご冥福をお祈りいたします。

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