怒濤の詰ん読解消日記

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つんどくダイアリー

旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと771冊

"護れなかった"ものたちの、現実世界での戦いを。劇場版「ソードアート・オンライン オーディナル・スケール」【映画感想】

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 控えめに言って最高でした…

 劇場版という尺の中で、新しいデバイスで、激しいバトルとストーリーと、「アインクラッド」の因縁と。

 SAO好きはもちろんマスト。劇場で見るしかないやつやで…

AR型情報端末「オーグマー」が広まった新しい世界

 情報の表示のみならず、視覚、聴覚、触覚情報を送り込むことが出来るARデバイス「オーグマー」。

 これが流行しはじめているのが本作の舞台。

 アスナやリズ、シリカたちもみんな日常的にこのデバイスを使うようになっていて、そこでまた流行している「オーディナル・スケール」(以下OS)という拡張現実ゲームを楽しんでいたりします。

 このOSとオーグマーが事件の鍵になっていくのですが、そこにはやはりSAO、アインクラッドの影があり。

 舞台の時期的にもGGOでの死銃事件やマザーズ・ロザリオの後、アリシゼーション編の前というところもあり、個人的にはアインクラッド編の集大成、決着編であるとも感じました。

これはゲームであるが現実でもある

 従来のソードアート・オンラインシリーズと明確に一線を画しているのが、今回の鍵となる技術が「AR (Augment Reality: 拡張現実)」であるということ。

 いままでシリーズの基礎技術だったVRとの違いはその名の通り、VRが「仮想空間に世界を構築する」のに対して、ARは「現実空間を拡張する」というものになります。

 (現実空間を拡張…って言われてもって感じかもしれないですが、要は現実の視界の前にメニューとかが出てきたり、見ている物の情報がその上にポップアップされたりみたいな感じを想像していただければ)

 仮想と現実、それで何が違うかっていうといい加減に好き勝手できないってところなんですよね。

 
 個人的に、見る前に気にしていた点が二つありました。ひとつは「ARで視界をあれだけ変えてしまって大丈夫なのか」。もうひとつは「VRのようなバトルができるのか」

 ひとつめは、例えばCMなんかでは視界が一気にファンタジーな風景に作り替えられ、あたかも自分がファンタジー世界に入り込んだかのような映像が流れていましたが。

 あそこでオブジェクトに置き換えられてる車とかは現実にはちゃんとそこに車としてあるわけで、例えばそれを殴ったら車が傷つくわけで。

 そういう現実世界を舞台に、ボス戦のような大立ち回りをするというのはどうなのかな…っていうのが一つ。だってゲームに夢中で車道に転がり出たら死ぬでしょ。東京で。

 またもうひとつは、キリトくんたちの活躍はフルダイブVRによる(仮想世界での)身体能力の上昇によるところも大きかったと思うのですよね。

 流石にALOのように空は飛ばないとしても、VRと同じままだったら、逆にどうかなあ…って思っていました。

 私がこのシリーズを好きな理由のひとつに、「技術的に実現可能性があると思えるリアリティ」があるので、こういうポイントがどう処理されるかでまた評価が変わるななどと思っていました。

 
 で、結論から言うと全然まったく杞憂。

 特に後者なんか逆に、それを絡めた仕掛けを入れてくるようなところまであってやっぱりガチで作ってる人達すごいわ…ってなる。

 まあバトルシーンが派手なのは演出の範囲でむしろOKな方向で。リアリティを損ねなければそういうところは良い。

 
 技術的なところでは、「ディープラーニング」というのもキーワードとしてあって、結構これが魔法の言葉か! って感じで使われてたようにも感じましたし、事件の中核的には無茶を言う…って思いもしましたが実際のところアレはアレでそもそもブラックボックス過ぎてできるならできるんじゃないかな…って感じになったので良し。たぶん使い方としては正しいし。いいのか。

 オーグマーも、あの小ささであの性能っていう、もうオーパーツなのかってくらいのものですがこれはSFとしておいておきます。

 あの世界にはナーヴギアなどのフルダイブ技術が下敷きとしてあるんですよね。オーグマーやSOの存在、成り立ちについて劇中で語られたことを思い返してその性能を考えると、なるほど…って感じにちゃんとなるから素晴らしい。たぶん今、こっちの現実にあるAR向けのグラス端末とは根本から違うものなのかなという感じ。むしろMR(Mixed Reality: 複合現実、要はカメラで撮った画像に情報を重ねるようなもの)に近いのかもしれない。

 なんかそう考えると、俺達が理想のARを手に入れるためにはまずフルダイブ技術を完成させねばならないのかもしれない…

知られざる歌姫の思い出に祝福を

 そして薄々感づかれてると思うのですが、今回の事件の鍵はやはりあの「ソードアート・オンライン」、アインクラッドにあり。

 ストーリー的には泣ける…泣けるね…

 いろいろと、いろいろと言ってしまうと即核心みたいなところがあってあんまり何もいえない感じではあるのですが。最後のほうのアインクラッドの風景がフラッシュバックしてるようなところ、何度思い返してもじーんと来てやばい。

 エイジや重村教授のこの事件への関わりかたとか、ユナが「たのしかったー!」っていうところとかいろいろと思ってしまいます。

 …でもあんまり具体的には。そしてなんでこの映画のCMがあんなふわっとした感じだったのかわかった気がする。何も言えないからだ…

 (新キャラについてはほんと言いたいこといろいろありますがだいたい禁則事項(ネタバレ)に抵触しますね)

 
 そういうわけで本編ストーリーはあんま言及できないけど「結構おおごとになってる、でも気づいてるのはキリトさんたちだけ!」みたいで劇場版らしい感じとなりとても良かったと思います。

 またTVシリーズなどのキャラクターも多く出てきてこれまたよかった。アインクラッドとの因縁的に、SAO組が多かった感じではあるかな。つまり、

 シリカとリズのDEBAN組がDEBAN多くてよかったね! 最初から最後まで!

 シリカちゃんとかリズに乗せられてモールの真ん中で歌い出すのかーわいー! しかしこれはARである。当人以外にはいろいろ見えてないんじゃないかって考えると、がんばれ…

 (でも雰囲気的に、全オーグマーがリンクしてるような感じもあるのでもしかしたら映像共有されてるかもしれないですね。ほんとすごいわあのデバイス…)

 しかし一番の出番になっていたのはやはり正妻アスナさんでしたが。あの正妻力。キリトくんははよ挨拶に行け。

 なんでしょう、あの私服の三つ編みを肩から前にふわっと流すような髪型とか、「今は家に誰もいないから」「キリトくんなら…いいよ…?」みたいなのとか「妻だ…」「妻だ…」「事後だ…」ってフォースがささやく。また嫁力が上がっている。いいからキリトくんは挨拶に行け。

 このアスナさんの嫁力の高さを見ていると、最近ではもうSAOガールズには早く次の幸せを見つけて欲しいって気持ちになりつつあるのですが明るい未来はあるんだろうか。リズとリーファは結構あっさり彼氏できそうな気がしてるけどシリカちゃんは愛が重そう。そしてシノンはむしろ茨の道を行きそう。それはそれで応援してる…シノンのALOアバター、ネコミミがピクッとするのほんとかわいい。好き。

 またエギルやクラインも結構出番あったり、最後はほんと全員集合みたいなところもあってバトルもすごい盛り上がる。

 AR=現実だからバトルどうかなあっていうのは上にも書いたんですが、やはり全然杞憂でしたね。超かっこいいし超熱い。

 バトル的なところだと、キリトさんは個人技に頼るアタッカーなのでちょっとお察しなところあったのですが、アスナさんは持ち前のリアル運動神経に加え、血盟騎士団で培った指揮力も発揮されててほんと良かった。頼れる嫁すぎる。

 
 あとアスナといえば(俺の中では)マザーズ・ロザリオとスリーピングナイツなんですが。これもちらっと出てきてそれだけで評価上がりますね。

 オーグマーとOSが流行ると当然今までのVRMMOはアクティブユーザー率が下がっていくんですが…それについてコメントを求められたときのスリーピングナイツ「私たちはこのゲームから離れられませんから」、たぶん劇中で放送を見てた人達は「VRMMOのほうが好きな人達なんだなー」くらいの感想でしょうけど、後ろの事情を知っているとどれだけの思いか…

 位置情報の絡むゲームは(イングレスやポケモンGoなんかで体験した方も多いのではと思いますが)その場に居なければならないという大きな制約があり、それが面白いところでもあるのですが事情によってはそれが枷にもなるのですよね。

 このコメントがさらっと混ざっているところもまた、個人的には評価したいポイントでもありますよ。

 マザーズ・ロザリオは良い。ほんとラストバトルも良い。

 

 時期的なところでも、アリシゼーション編の前ということで、やはりアインクラッドから始まった「フルダイブVRMMO」の区切りとなるストーリーだったと思います。

 そこで大胆にARデバイスを投入してきて、ひとつの映画として区切りのあるシナリオかつ今までのソードアート・オンラインをかぶせてくる。

 大変よい劇場版でした…

 TVアニメ、原作小説を読んだ人はもちろん、知らなくても劇中でどういうことがあったかはある程度教えてくれるので、気になったら是非劇場に足を運んでみてください。そしてTVアニメ版を見始めるのです…

公式サイト

sao-movie.net

映画情報

eiga.com

その他

 劇場版記念で原作小説などが期間限定無料になっていました!

tsundoku-diary.scriptlife.jp

 押さえておくといいのは原作でいうと「アインクラッド」編の1、2巻、

 「フェアリィ・ダンス」編の3、4巻、

 「ファントム・バレット」編の5、6巻、

 「マザーズ・ロザリオ」編の7巻というところ。

 GGO勢も結構銃火器ぶっぱなしてるからおすすめ。

 アニメではTVシリーズの1期と2期が、上の巻数に当たるので大丈夫です。

anime.dmkt-sp.jp

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 Amazonプライムとdアニメストア、dアニメストアのほうが全部あるからおすすめ。

 また主題歌やバトル時の挿入歌も良い。

もうデジタル版もあるみたい!

Catch the Moment

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  • LiSA
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

in the digital world

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  • 梶浦 由記
  • アニメ
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  • provided courtesy of iTunes

(2017/03/09追記) 2周目

 普段あまり周回しないんですが劇場版特典小説がもらえるときいて2周目。

 いろいろ分かった上で見るのもまたよい。

 謎めいたところは分かってしまっているので基本的にキリトさんとアスナさんのラブラブムービーみたいになっているんですが細かいところにぴくぴく反応してるシノンはやはり良い。

 キリトさんとオーディナル・スケール起動のかけ声合わせてるのもアスナさんとシノンだけだし夜のボスバトルに一人抜け駆けとかさりげないバイクのおねだりとかやはり泥沼か…

 リズにノせられてモールの真ん中で歌い出すシリカちゃんのちょろさも何度見ても光ってる。今回DEBANがMOREでよかったね…

 そしてラストのライブからバトルあたりは何度見てもぐっときますね。ユナが歌いきってから「やりきったー!」っていう感じのところが、彼女がなんのために存在していたかって考えるとここからせつないものがある。エイジはさーもっとユナに目を向けるべきだったんじゃないの。

 また絶対無理だろっていうボスバトルに突入してアスナのOSSからキリトさんの二刀流ソードスキルに繋がるのほんとよい。茅場さんは完全に亡霊と化してるというか貴方がシステムを超越してる気がするよもう既に。

 
 しかしエイジはなんか結局、二回目見ても何が「復讐」だったのかよくわからんかったよなあ。教授と違ってなんか目的がぶれてる感もあるし。いいコマだったということでもあるのかもしれんけど。

 結局「死の恐怖」を乗り越えられなかったエイジと、ラストバトルに参戦できたアスナとの対比がさらにエイジの存在を哀しみに染める。ランク2位の慢心スタートだったし見返してもいいところがあんまりないな…それがまた哀しい…彼は救われたのだろうか…

 
 また見直していて気づいたのが、あの方法、後の「アリシゼーション編」でキリトに施されたそれと原理的に同じことなんですよね。ということは教授の存在が影で生きていたんだろうか。

 たぶんアリシゼーション編もアニメ化するんだろうけど、そのときはオーグマーや教授も織り込まれたストーリーに再構築されるのかなあ。これだけ普及したことになってるデバイスの存在が全くナシになるっていうのは流石に無理があるようになってしまった気がする。

 
 まあでもやっぱり最後は泣くよね。みんな見るべき。