新米内科医物語なのか怪異のスペシャリスト物語なのか割と判断に迷う感じのある怪異向けお医者さんストーリー!
総合生物診療科へようこそ!
「…生物?」
という配属直後の詠先生の素朴な疑問から始まるこの物語。総合診療科 (医療における診療科のひとつで、あまりにも専門化・細分化しすぎた現代医療の中で、全人的に人間を捉え、特定の臓器・疾患に限定せず多角的に診療を行う部門。また、外来初診の「症状」のみの患者に迅速かつ適切に「診断」をつける科でもある。医療機関・大学によっては総合診療部ともいう。Wikipediaより) のつもりがなぜか生物。待っていたのは昔の恩師でオラオラ系ドクターの空騎剣。そしてマジ天使の看護師あきみちゃん。
そこに外来してくるのは立ちくらみのする吸血鬼とか不眠症の夢魔とか空から落ちてきた烏天狗とかと…なるほど生物総合…?
それあh古今東西所謂怪異。正式名称は寓象人格体(フォルクロアド・イグジスタンス)。妖怪変化、モンスター、悪魔、伝説伝承の中にいる恐れられしものたち。新米医師の伊佐名詠先生、そんな(人間向けの)診察で大丈夫か?
生物でした
意外と大丈夫だった…マジか…
こういう「怪異、妖怪」の類の設定、解釈は作品によって違いますが、この作品では基本的には「人間とは違う種族、生物」というもののよう。なので基本的に人間の医療知識をベースに割と細かい診察がされたりして確かに生き物っぽいみたいな妙な感想を持ったりしつつですね。
でも夢魔の能力とか、そういうところはオカルトそのままだったりするので全てが(人間的常識の)科学的に解明されているわけではないところもまた、異界と人の世が混ざってしまった感があって面白い感じでもあります。
それで結構怪異ならでは、怪異と人の関係ならではの医療系ヒューマン(?)ドラマみたいなところもあり、そういった妖怪ものとしても面白く思います。
登場した怪異は人に寄せたものたちばかりだったのですが、動物系だとやっぱり獣医っぽくなったりするんでしょうか。猫とか犬とか狐とか。
世界が変わった後のお話
もともと怪異もそこまで広く認知されていたわけではなく、十年前に「星凪(オカルテーション)」と呼ばれる現象があり、そこから姿を現した…というか隠されていたものが出てきてしまったと言いますか。
そんな、世界の常識が塗り変わった後のアフターでもあります。
どこか抜け気味のテンション下がってる系女子・詠先生が送るゆるっとしつつたまに緊迫してる医療的日常ではありますが、ここに至るまでのことをちょっと思うと、少し感動…はしないか…まあ、平和だなあ…
薄々察していたところはあったけど、タイトル二度見して「あー、あー、あー」みたいな感じになるところはある。
こういうアフター系好きなんですよねえ。世界が平和になった後みたいなやつ。