怒濤の詰ん読解消日記

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つんどくダイアリー

旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと777冊

現代に生きる魔女たちの、恋と青春の物語! 「現代魔女図鑑」全5巻感想

現代魔女図鑑: 1 (REXコミックス)

 「魔法」を使う魔女たちの、せつなかったり甘酸っぱかったり暖かかったりするオムニバスストーリー全5巻。

 最初のほうからほんわかしつつもラスト1巻は運命を感じて泣くしかない。

 

或る魔女達の恋物語

 魔法という超常的な力が存在している世界で、それを操る「魔女」と呼ばれるひとたちが主役の物語。劇中で「魔女」というのには男女区別なく使われている呼称ですが、ここで主役になっているのはやっぱり女の子、こう切なかったりほほえましかったり、少し不思議な話だったりの恋物語。

 

 出てくる女の子達は魔法が使えると言っても普通の子たちばかりだけど、魔法が使えるってことがもう(私たちから見て)普通じゃないからそこで非日常的になる、でも当人達にとっては当たり前のことで日常でしかないという、不思議な力が日常になじんでいる世界とそこで悩んだり青春したり悪魔召喚したり空の果てまで吹っ飛んだり魔族の兄妹の犬ミミメイドになったりするのが、そこから繋がっていく物語がほんとすき。

魔女達の奇跡の物語

 このね、魔法を使って奇跡が起きる、それが日常として続いていくというのがすごくストーリーの幅を広げていて、たとえばこれが普通のショートストーリーとかだったら不自然にも思える奇跡だったとしても、この世界では「魔法だから」で説明がついてしまう。

 でもやっぱり不思議で素敵な奇跡なんだというところがすごく心に響きます。

 

 この奇跡の集大成はやっぱりラストの大魔女様のエピソードですね。お約束的な舞台、ギミックでもありましたけど、でもやっぱり好き。

 個人的な好みももちろんありますけれど。時間とか生死観とかに絡んでくる奇跡というストーリーにはやっぱり弱い。

コミカルに、明るく過ごしていく魔女達の日常

 だからといってしんみりした空気かというとそんなことはなく、全体的には明るくふんわりした感じの雰囲気です。掲載誌はREXという少年漫画誌だったけど、少女漫画成分が結構な割合で混ざっているかも知れません。

 

 どの魔女たちも(男の子も女の子も)自分の力に向き合いつつもまっすぐに進んでいて、すごく良い雰囲気です。そしてそれが奇跡と結びついたときの破壊力がまたすごいことになるんだね。

 

 また、当摩という街を舞台にして綴られるストーリーは、それぞれの登場人物、時間、状況がところどころ交差していて、それがまたこの世界を物語が共有している、という感じが生まれていて、そういうところで地道にリアリティが増していきます。

 一つ一つの物語はそれで完結しているオムニバス・ストーリーですが、それが交差しつつまた別の物語に覗かせている、という構成も個人的なところですごくすきなのでポイント高いですよ。

 

 そういった、すごく派手ではないけれど大切なドラマが積み重なって、珠玉の物語となっているように感じるところもあって、やっぱり読み返すとすごく好きな作品だったと思います。

 それぞれの登場人物のエピソードもその後もまだまだ読み足りない気持ちはあって、終わってしまったのは残念だったのですが、物語は終わっても世界はまだ続いていく、そう感じられる作品でした。

 

 でもやっぱり戦争と時間と約束の話はあかんて…もうこの時点で数え役満みたいなものなうえに途中で地道に役を重ねていっているこの威力はつよすぎてストライクやで…