つんどくダイアリー

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わりと好き勝手書いてるからネタバレてたらごめんね。旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと740冊/※本サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。ページ内のリンクがアフィリエイトリンクの場合があります。

もっと広まってくれると本当にありがたい同人誌の電子版の話

y-nakase.hatenablog.com

 

 コミティアで同人試と電子書籍についてお話された内容とのこと。

紙本もいいけど電子出版もね! という感じでBOOK☆WALKERさん推し(そも企画がBOOK☆WALKERみたいなのでそりゃそうか)という内容です。

BOOK☆WALKERは個人的にもよく使うストアでそこに異論はない。

 

しかし、そんな「紙好き」なコミティア常連に次の二つの質問をすると、

大概の人は固まります。

 

「あなたの書庫にはまだ本を追加して大丈夫?」

「3年前に買って読んで感動したあの本を5分以内に取り出せますか?」

 

電子書籍」を「紙書籍」と対峙するモノとして扱われることが多いですが

私は「紙書籍好きだからこそ、併用が活きる電子書籍もある」と考えます。

特にコミティアに参加の作家さんが活用できる「電子書籍」について話をさせていただきます。

 

クリティカルに刺さる。

 

 ストアの話と混ざってしまうと、若干話がそれてしまうところがあるのですが、そも同人誌が電子書籍化されることについて個人的には大歓迎していきたいです。

 同人誌は一期一会の稀覯本的な側面が結構強く、また薄いので本棚から探しづらい…背表紙もない(というかそれだけの厚みがない)のが多いし…

続きものの同人誌もあったりすると興味引かれても途中からは買いづらく、総集編待ち(下手すると数年越し)となったりしてしまってつらい。

 そういうところが解消される=買いやすくなるということなので、作家さんにも読者にもメリットあることだと思います。

そして上の記事にはストアの話やお金の話なんかもちゃんとあるので一読していただけれればと本当に思います。何卒よろしくお願いいたします。

 

 こういう話をコミティアでというのも良いかなと思います。コミティアとは一次創作オンリーの同人誌即売会で、(一般的なイメージでいう)作品のファン活動としての同人誌とはちょっと毛色が違った即売会です。(個人的には「インディーズ」と言った方が雰囲気伝わる感じ?)

 オリジナルということはつまり、権利の全ては作者さんが持っているわけです。なので二次創作がらみでよく言われるあれこれが関係なく、始めやすいところはあると思います。

 

 ただ、この販売方法として、

私が提唱したいのは、

まず、紙の本を刷る時は「1年以内に確実の完売できる」であろう部数のみにとどめること。そして、その本が売り切れる頃合いに電子書籍版の販売をはじめます。

紙の書籍が完売したら読者側に「電子書籍で入手できます」と案内を出すことができるわけです。

については個人的には「できれば同時、なるべく早い段階で」出して欲しいなあと思います。

 このあたりはデータ次第、電子書籍へのスタンス次第なところはあると思いますけれど、販促面だけでいうと一般書籍では同時販売が増えてきているのがひとつの答えになるのではないかと思います。外野からの意見ですが。

 

 あと「宣伝も大事」ということも書いてあって、それは本当にそう思う。思うというかせめてDLストアに登録したらサイトのほうにも書いておいていただければ…

 

 で、電子化とストアの登録の話。これが一緒に話されていますけれどこの二つは元来別のものではあって、ストアで管理してもらうと助かりますが電子化はそれとは微妙に異なる話なのですよね。

 

つまり

というような話がストアに絡めると絶対出てくるしこれはこれで問題なのですが、例えばDRM無しPDFで配信されているようなものは、ストアがなくなっても読むことはできます。

 実際に私が購入した電子版の同人誌は、購入したストアと関係なく読めるものが多いです。

(でもユーザー認証が必要なものもあったりして一概に言えない自覚あります。認証が必要なものは購入避けてる節はありますし。あと結局、同人誌は電子版になるかどうかわからない(というかほとんど無い)から紙本を買っちゃうのもありますわね。

余談ですが確認しようと某ビューアで認証機能が必要な本をダウンロードして見ようとしたらば著作権保護のためUSBデバッグをオフにしろとか出てきてマジFワードと思いました。変わってねぇなぁ…)

 この記事ではストアに出すことを前提にしているところあるし、ストアのシステムに乗っかった方がメリット大きいとは思うのですが、「電子化」と「ストアへの依存」は別に考えつつ、というのがいいのかなと思います。

 (※注:これは「PDFフォーマットを推奨したい」わけではなく、「現在配布されているものでDRM無しのPDFフォーマットのものがある」という話です。フォーマットとしてはEPUBなど他のもののほうが適切かもしれません。ポイントはDRMの有無、ストア無しで読めるかです)

 

 電子書籍ストアに関しては、別におすすめストアのほうで書いていたりしますので、よろしければそちらも見てみてください。

kagerou-ts.hatenablog.jp

 

 なんにせよ、品切れのない世界が来てくれると嬉しい。あと物理的限界に挑まなくてもいい世界。何卒よろしくお願いいたします。

「Only Sense Online 白銀の女神」1巻感想 『白銀の聖騎士」を再び目指す妹のVRMMO日記!

Only Sense Online 白銀の女神 -オンリーセンス・オンライン- (ファンタジア文庫)

 同著者のラノベ「Only Sense Online」のスピンオフで、OSOの主人公の妹ミュウが主人公のガチ戦闘系攻略日記!

 ミュウもユンと同じくOSOサービス開始からログインして、剣と魔法のセンスで「白銀の聖騎士」と呼ばれていたような戦闘スタイルを目指していく話。

 β版のときに、剣と魔法、行動制限解除による無茶な動きの戦闘スタイルだったミュウの二つ名が「白銀の聖騎士」で、正式サービスでもそれを目指しつつ、女の子パーティメンバーを集めて仲良く冒険していくというすばらしいVRMMO日記です。

 

 OSOと同じくサービススタート時点から書かれているので、作中の時期はOSO1巻と同じところになっています。もはやいろいろ懐かしいわ…

 こちらではミュウがヒノと合流して、ルカート、トウトビ、コハクにリレイとOSOではおなじみとなったパーティメンバーとの出会いそしてがっつり戦闘系センスをビルドしていくさまが描かれています。

 でも戦闘系センスは生産系ほど開発死んでなさそうで安心する…ちょっと物理法則無視するくらいかわいいもんですよね…

 

 そんなガールズパーティの日々ですが見所はやっぱり巻頭カラーのコスプレメンバーが仲良く協力して冒険を進めていくところですね。ルカちゃんに指揮されたい。

 ユンは影薄いけどセイ姉は登場したりするので癒やされる。まだギルド結成前っていうのもなんていうか遠い昔の話に聞こえる。

 セイ姉ぇーセイ姉ももっと出てこようセイ姉ぇー

 

「スティーブズ」4巻感想 成長中のベンチャーの歪みと祟り神ジョブズのリアルAppleストーリー

スティーブズ 4 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

 表紙はゲイツくん。でも今巻出番があんまりないのが残念。

 

 ガチすぎてAppleにリジェクトを食らったリアルAppleストーリー第4巻。AppleⅡのヒットで急成長中のアップル社、ベンチャーから大企業への歪みが吹き出してきているところです。

 ガレージで和気藹々と(…とは言えない修羅場だった気もする)開発していた頃からすると、職場の状況が全然違い、また中途入社してくる人たちはIntelやHP(ヒューレット・パッカード)、フェアチャイルドから来る優秀なエリートたち。

 そりゃ衝突する…というより完全に見下されてる感じがつらい。ウォズはまだ技術力を認められているし、ジョブズはビビられてるけど。相変わらずジーパンに裸足だし。

 

 そしてさらにウォズとジョブズを仲違いさせてオリジナルメンバーの影響を弱めていこうとしていくアン・ファーガソン人的資源部長の思惑が完全に裏目ってジョブズが祟り神扱いに昇格するの面白すぎて震える。

 そりゃ唐突にプロジェクト会議に現れて最高権限でひっくり返しに来る(しかもそれが的を射ている)最高に厄介でしかない…やってること変わらないといえばそうなんだけど、今まではまずウォズに話していたようなことが直接現場に降りてっちゃっているとかそういう感じなんだろうなあ。

 でも厄介扱い仕方ないにしてもボイコットされるLisaプロジェクト会議の図とかほんとつらいよ。

 

 ウォズはウォズでAppleⅡを守っていくような行動を取ってジョブズから離れていくしほんとどうなるんだろうこれというところではあったけど、最後はやっぱりジョブズを待ってた、というのがね。

ジョブズの目を覚まさせるのも立ち直らせるのもウォズ。

 

 またこの巻ではAppleの次の革命、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース:マウスとウィンドウで操作する今時のパソコンのやつ)についても片鱗が見えてきます。

 もうWindowsからこっちの世代にはよくわからないかもしれないけど、キーボードの文字入力で操作するCUI(キャラクター・ユーザー・インターフェース。Cは他にもコマンドラインだったりコンソールだったりすることも)が昔は主流やったんやで。

 そこにマウスとウィンドウ。XEROXのPARC研究所で作られていたものを取り込んだという話は聞いたことあったけど、その流れが追っていけるのが本当に熱い。

 

 といっている私が実のところWindows3.1/95世代で、それがもうアラウンドしたらフォーティーに届く可能性秘めてるおっさんなので、もうCUIといわれてもって感じでしょうなあ…

イメージ的にはドラマとかで出てくるこう、キーボードカタカタやってダーッと文字が流れるパソコンなんだけど、こういう説明ももう古いのかもしれない…老いを感じる…

 

 それはそれとして研究所の人たちも「どうせ俺達の研究の真価は誰にもわかんねーよ」みたいな感じで理解されないから投げてる感じがあって、そこがまたつらいところがあるんですよね。

 故に、自分たちの思想に時代が追いついていないところにジョブズが本当の理解を示したときの涙はすごく震えるものがあります。

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(「スティーブズ」4巻より)

 アラン・ケイさん日本の特撮見てんですかww

 

 次巻からはついにLisaプロジェクトとMachintoshの開発に入っていくんでしょうか。

 今のAppleの代名詞はiPhone、一つ前はiPodにiMacとかだと思うけど、その一つ前、私たちの世代だとMachintoshなんですよね。

 Apple製品=グラフィッカー御用達というイメージもそう。Machintoshがでかい。

 一方の表紙になってるゲイツくん、出番はIBMでの会議だけだったけどこれが「IBM PC」、そして有名な「PC/AT互換機」「MS-DOS」に繋がっていくんですよね。

 IBMの侵攻にGUIの搭載と、まだまだ黎明期の山場盛りだくさんで盛り上がっていく予感がして次巻も楽しみです。

 

 4巻発売を記念して、2/25まで1巻がまるごと読めるみたい。

 気になったら是非。1巻が面白いと感じたら、全巻購入して間違いありません。

  1巻はガレージで開発しつつIntelからDRAMブン取るところから始まってAppleⅠの家内制手工業開発と販売、続々と集まる創業メンバー。

 のっけからかっ飛ばしているところがリアルAppleストーリー。