つんどくダイアリー

つんどくダイアリー

わりと好き勝手書いてるからネタバレてたらごめんね。旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと740冊/※本サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。ページ内のリンクがアフィリエイトリンクの場合があります。

「86 -エイティシックス-」使い潰されるだけの少年兵たちと、指揮官の少女が辿り着く場所への物語。【ラノベ感想】【第23回電撃小説大賞 大賞受賞作】

86―エイティシックス― (電撃文庫)

 第23回電撃小説大賞、大賞受賞作です。

 戦争ものですから当然ひどい有様で最悪な状況しかないのに、読んでみると不思議と絶望感はなく、高潔で美しいという印象を全体から感じ、最後の最後、最後の最後の最後まで続きを追うことを止められない作品でした。

 えらいものを読んでしまった…

放たれた無人機に包囲された、平和を保つ共和国

 状況は至ってシンプル。

 事の始まりは9年前。物語の舞台となる共和国の東にあるギアーデ帝国が、無人機「レギオン」をもって周辺国に宣戦布告を開始。

 その圧倒的な強さの前に共和国は撤退を余儀なくされ、二つの決断を下す。

 ひとつは全国民を八十五行政区画へ避難させること。

 ひとつは白系種ではない有色種を人間ではないもの、「エイティシックス」と呼び強制収容所に送り、レギオンと戦わせること。

 
 その後、自動で修復、増産されていくレギオンに対して共和国側も無人機の開発を急ぎ、ついに「ジャガーノート」という機体を完成させ、それによって無人機vs無人という「人間の死なない」戦争という形ができあがり、共和国内に逃げ延びた人々にはかりそめでも平和が訪れていました。

 レギオンには活動限界があるという分析の結果が出ており、あと2年しのぎきれば、なんとかなるという見込みまであるんですよ。

 無人機同士の消耗戦であるから、毎日の戦闘では死傷者は常にゼロ。指揮は安全圏である共和国内から、知覚同調(人間の集合無意識を通して五感の一部を同調させる、主に聴覚を同調し通信に用いられる技術)という方法で行うため、指揮官の身も安全。完璧です。

 
 本作品はこの「無人機同士の消耗戦」を背景に、「ジャガーノート」の部隊を指揮するハンドラーの少女レーナと、最前線で戦うエイティシックスのスピアヘッド戦隊、両方の視点が交差する物語になります。

 こういう「人類の敵」のようなものたちと対峙する戦争は、すごい立派な大人が命を懸けていくように描かれることもありますが。本作はその逆でだいたい反吐が出る…でも、あー、実際こうなんだろうなあっていうのがまた、地獄みを増す。

人間が搭乗していなければ有人機とは言わない。そしてエイティシックスは人間ではない。

 つまりそういうことです。

 ジャガーノートへコアユニットプロセッサーとして組み込まれ、無人機との消耗戦に使い潰されていく「エイティシックス」と呼称される人間以下の少年少女。

 結局、帝国のように完全な無人機を開発することができなかった共和国は、それによって共和国はなんとか戦線を維持しているわけです。そして市民にそのことを知らせることなど到底出来ない。しかもそれだけではなく現場の兵士は白系種の優越的差別意識バリバリでむしろジャガーノートの損害を楽しんでいるものさえいる有様。

 …読者視点で眺めるから冷静な気持ちで考えられているところはありますが、手持ちの唯一の武器が壊れていくことを楽しんでるような様子は馬鹿なのかな? っていう感想しかなく、むしろ緩慢な自殺にすら見える状況です。

 もちろん人道的な面でも許されない話です。しかしシンを始めとした当のスピアヘッド戦隊の面々がプロセッサーであることを受け入れて…受け入れるというのとは少し違うかもしれないけど、悲観している様子もあまりないので、「かわいそう」みたいな気持ちにはならないのですよね。そういうところでも共和国のクソっぷりが強調されるのですが。

 …そうですね、かわいそうと思ったのはむしろ、共和国八十五行政区画の中にいる白系種のほうに、かもしれないですね。

 卵や木イチゴですら貴重品となっている行政区画で、合成食をかじりながらエイティシックスを見下し生きているものたち。この戦争のゴールも考えられず、もはやジャガーノートを消耗させることが目的になっている節すらある上層部。…書いてみると、完全に狂ってるんだなあって感じします。

 まあそれはそれとして女子が水浴びしたり猪を狩ってきて盛大にBBQやってたりするスピアヘッド戦隊自由すぎ。

 人生の幸福とは…

ハンドラーの少女と少年兵たち

 そういった、あきらめを言い訳にしたような気持ちの悪い悪意が横たわっている状況を背景に、レーナとスピアヘッド戦隊の交流から始まるのが本作のメイン。

 父の影響で、エイティシックスに差別的な感情を抱いてはいないレーナと、「葬儀屋(アンダーテイカー)」の異名を持つシン。そして地獄の前線をくぐり抜けてきたスピアヘッド戦隊の少年少女。

 つっけんどんな男とお嬢様のボーイミーツガールでもあるのですが、レーナがスピアヘッド戦隊に入れ込んでいくにつれ明らかになる事実、真実、登場人物の過去の関わり、シンの能力と異名の由来、「レギオン」の思惑と知られていなかった事実、そしてシンが目的としているもの、この部隊の最終目的などが次々といいタイミングで明らかにされていって、読み進める手が止められない…最後、どうなってしまうんだこれという気持ちもずっと残っていて、それは本当に最後の最後まで「これで終わりなのか」という気持ちでした。

 特にアンダーテイカーの由来や、シンの能力がどういうものか発揮されてきてからがヤバイですね。前半の雰囲気があるから余計に胸が締め付けられる。恐怖という面ではレギオンも…途中からなんとなく予想されたところでもあったけど、それでもえぐい。

 シンたちの戦いの行方や、エイティシックスが世代ごとに求めていたものから、ところどころに感じるやさぐれた、でも高潔な、先に進んでいく気持ち。

 エイティシックスたちは確かに最初は共和国から追い出された、どころか畜生扱いの消耗品にされた。でも今は、果たして八十五行政区画にいるものたちが、支配者なのか閉じこもっている哀れなものたちなのかがわからなくなっているような気さえします。

 
 ラストについての感想は述べません。是非、読み切って欲しいです。

 あと巨大ロボじゃないけどロボットものでもありますね。ちょっと前に話題になった「ラノベで巨大ロボットものは難しい?」っていうのが思い出される。

togetter.com

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現実化した脳内異世界を攻略せよ! 「東京ダンジョンスフィア」【ラノベ感想】

東京ダンジョンスフィア (電撃文庫)

 VR装置が暴走して人の脳内願望を元に異世界が作られ、それを冒険者が攻略していくという現代ファンタジー

 VR…と聞くと仮想のアレかって思いますけど、実際は仮想ゲームではなく異世界攻略(だと睨んでる)

VR装置「Mig」の暴走から始まった東京ダンジョン

 作中時間で5年前、家庭用端末として普及した「Mig」の暴走により東京…いや日本中のマンションが異界化。

 その異界、ダンジョンを作り、それに取り込まれた創造主を救うための政府機関として「ギルド」が組織され、ダンジョンに挑む冒険者達をバックアップするーーという、非日常冒険ものです。

 苦学生の赤峰はダンジョン攻略の報酬を得るために冒険者となって、同時期に志願した蒼倉、桜白、緑の三人とパーティを組んで、勇気と連携で危機を乗り越えて成長していく。

 仲間の三人にもそれぞれ事情があって、ともすれば赤峰のそれが一番軽い(といっても十分に大変だけど)という主人公としては「普通」な位置づけですけど、普通だからこそ、という面もあって良かったのかなと思います。

 全体的にRPGゲーム調の雰囲気があるので、主人公色は薄くなってるのかもしれません。

 (しかしこういう流れで行方知れずの父親は後々ヤバいキーパーソンであることが発覚するパターンもまた定石なので油断はならない)

 本巻はまだゲーム最初というかチュートリアル的な雰囲気もあって、いろいろとこれから感はあります。仲間との連携や協力、それぞれの事情に突っ込んだ話などについてもまだまだで、目の前のことに手一杯という感じでもある。

 ダンジョンやMig、という構成要素にも謎が多いし、表に認識されているもの以上の何かがありそうです。

ダンジョンを発生させる「Mig」とは

 すべての元凶となっている、精神干渉派発生装置「Mig」。

 あらすじにも「最新のVR技術」とあるのですが、読んだ限りではどうも違う印象を受けました。

 Migの本来の使い方としては、精神干渉波を送信するというもの(イメージを直接脳内に描写するということなのかな)でしたが、その暴走によって使用者の脳内イメージを元にしたダンジョンが作成されてしまった。ダンジョンはMigの使用者=創造主と呼ばれる人物の抱いているイメージが反映された風景、敵、ギミックが出現したりする。寝ているときに見る夢のようなものに近いかもしれないですね…

 冒険者はそのダンジョンに潜って創造主を救助、Migの電源をオフにしてダンジョン化を解除するのが大きな目的となります。しかしそのダンジョン内で負った怪我はそのまま現実のものとなったり、またダンジョン内で獲得したアイテムも現実に持ち帰ることができてしまいます。

 またダンジョンを生み出した創造主は、ダンジョン化が始まった5年前からそこに閉じ込められていてもダンジョンの「核」として生きていて、ただのVRではない…ということは容易に想像が付きます。

 しかし創造主の脳内のイメージがもとになったダンジョンだったり、冒険者もイメージを具現化して戦うことができるなど、ダンジョンというものが現実離れした空間であることもまた事実。一体この空間は何なのか…

 それはそれとして、目の前に存在しているダンジョンがイメージを具現化して探索するというゲーム好き的には夢の空間であることもまた事実。

 戦う武器や必殺技を得るためにはイメージ力が必要であり、具体的なイメージをつかむためにゲームを真面目に研究するみたいなわりかしシュールな光景もあったりしますが、技名叫んで技が出るのは夢といっていいですよね。おっさんは年齢制限によりダンジョンには入れませんが。詰みか。

現実世界も巻き込んで、ダンジョンを攻略せよ!

 そしてこの作品のポイントとして、ダンジョンはそれまで普通に暮らしていた人の脳内イメージから形作られているというところですね。異世界で完結していない。

 攻略の糸口も「なぜ」「どういう人物が」「どういうタイミングで」ダンジョンを作ってしまったのか、というところにあったりするので、現実と絡めて解いていく場合も出てくる。

 まあいいから寝かせろみたいな大変よく分かる…いや、特別ヘビーでない普通な感情が多くのダンジョンを形作っているようには思われますが。そういう面でも、普通の人が巻き込まれてしまった災害、という感じがあるかもしれません。

 
 
 
 オタクがMig使ってたら大惨事だったな…いろんな意味で…いや東京の、日本のどこかには発生しているだろう地獄のオタクダンジョン。Migみたいなガジェットは誰に言われなくても買いそうだし…

 自分が寝てる間にドリームダンジョンをよってたかって攻略されるというほうにむしろ恐怖を抱きながら地獄のオタクダンジョンは登場しなくてよかったとおもいました。見てみたい気もするが絶対地獄という確信はある。

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本屋さんは今日もドタバタおおさわぎ! 「ガイコツ書店員 本田さん」2巻まで【マンガ感想】

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(「ガイコツ書店員本田さん」より)

孫おいぃぃぃぃぃっっっ!!!

ガイコツ書店員 本田さん (1) (ジーンピクシブシリーズ)

たのしそうな書店員さんの日常

 この本は、書店に勤務する本田さん(著者)の日常的なエッセイコミックである。ガイコツとかブッダヘッドとか出てくるけど妖怪の話ではない。

 実在する(らしい)書店での日常ドタバタやら本屋さんの裏側やら、お客様との交流やらがぎっしり詰まった(濃い)毎日。

 場所的には結構都会の本屋さんだったりするんでしょうかねこれ。外国人ネタが多いということは。

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(「ガイコツ書店員本田さん」より)

 イケおじの外国人さんも娘に頼まれた本を探して辿り着く本屋。いいパパさんやん。

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(「ガイコツ書店員本田さん」より)

 娘おいぃぃぃぃぃっっっ!!!

外国勢つよい

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(「ガイコツ書店員本田さん」より)

 メチャンコニンキアルBL。

 
 
 
 なるほど。

 
 
 
 僕も結構そこそこ本屋さん寄ったりしますけどこんなファンタスティックな光景は見たことがない。

 そも外国の方は見かけたことがないくらいなので、やはりそのあたりはこの書店の立地なんでしょうけれど。

 日本人でファンタスティックな方は…やはり見たことないですね…

 (僕がよく行く本屋さんは結構サブカル寄りのラインナップでコミケカタログやラノベの限定版をいつも積んでいるからむしろ心配しているくらいのところです。コミケ後に売れ残ったカタログが値引きされているのは哀愁を誘う)

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(「ガイコツ書店員本田さん」より)

 北欧は素直。

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(「ガイコツ書店員本田さん」より)

 素直にシグ●イ。

 …

 ヤングBJもラインナップされているところを見るとやはり筋肉なんだろうか。

 しかし僕なんか黙々とチョイスするタイプなので外国勢Oh Powerful…って顔になりますね。

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(「ガイコツ書店員本田さん」より)

あふれ出そうであふれ出ない闇

 しかしこういう業界ものではつきもののあふれ出る闇。

 まあ本屋も激務で…バイトじゃなくて社員さんぽいし…

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(「ガイコツ書店員本田さん」より)

 周りからあふれ出ている。

 でも昨今、「本屋で買ってね!」系の話がいっぱいあふれてるけど実際書店が頼んだ数届いてないとかだとこれどうすんだっていう話でもありますよ。

 物理的な制約、刷ったら最後の博打でもあるから仕方ない面があるのかもしれんけど。

 あふれるように新刊が出ている現代において、初動を逃すことはだいぶ大きいですよね。

 みたいな業界の闇から、

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(「ガイコツ書店員本田さん」より)

 謎の研修まで。

 この話、なんか後でえらい怒られたらしいんだけど無料で読めるエピソードにピックアップされていて大丈夫か?

comic.pixiv.net

 怒られる要素がどこだったのか気になる…

 
 そして今の時点での最新話(15話)はタイムリーな初動の話。

comic.pixiv.net

 横浜駅そんなにか…

 
 しかしそれでも全体の印象としては大変楽しげで、こう、何かすごいものがほんわか包み込まれてしまってコミカルになってしまっている感のある愉快なコミックになっていまして、読んでると突如じわじわくるというなんともいえない感覚がおすすめです。こういうところはきっと作者の人徳とセンスなのでしょう。

 本好き、本屋さんに良く行く人ほど楽しめるはず。このガイコツが目印!

 また最新話およびいくつかのエピソードはこちらで読めるようなので、興味を引かれましたら是非ご一読を。

comic.pixiv.net

グウェンとの友情を、絆を取り戻すことができるのかーー「ソードアート・オンライン ガールズ・オプス」4巻【漫画感想】

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 デスゲームと化していたSAO、その生き残りであるグウェンとルクス。歪んでしまった気持ちの行方はどのような決着を迎えるのか。

発令されるグウェン討伐

 総統暗殺の企てにより、とうとう討伐対象となってしまったグウェンとそのギルド。

 SAO時代からグウェンに縁のあるルクスは、それでも彼女を救おうと、シリカ、リズ、リーファと4人でグウェンのアジトに向かいます。

 妖精の国『ALO』を舞台としたガールズメンバー大活躍の今シリーズですが、今回は相手もSAOサバイバー、しかも悪名高いギルド出身という曰く付きの状況が大変シリアスかつ、あのサバイバルの中でよじれてしまったルクスとグウェンの心と絆の決着でもありました。

「今この戦いは遊びじゃありません、絶対に」

 そしてこれは図らずも、シリカ、リズ、リーファ、ルクスのパーティと、グウェン率いるギルドの信頼と結束の違いが、勝敗を分けるものでもあり。

 ALOで信頼できる3人と出会ったルクス、同じサバイバーでもその過去を乗り越えているシリカたち。

 そういった心の力がきっと決め手となっているのですよね。いいよね…女の子の友情…

 一方で、そんなものだといいつつも、やっぱりグウェンのギルドの末路はかわいそうでもあります。(やってることはともかく)それなりに活動していたわけだから、居場所としてはきっと悪くなかったろうにね。

 (MMORPGで悪役プレイっていうのは楽しみ方としてはアリですからね。命懸かってなければ)

キリトさん

 そして俺達は思い知る。MORE DEBAN組はみんなキリトさん大好きだったってことを。

 そしてキリトさんが出てきたら女の子も増えてるということを。

 MO☆GE☆RO

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読書疲れの目にじんわり効く! よく眠れる! 目もと用蒸気マスク「あずきのチカラ」!

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(「アイドルマスターシンデレラガールズ」桃井あずき)

※画像は関係ありません

電子レンジであっためる蒸気マスク

 最近使っているこのあったかいアイマスク「あずきのチカラ」というのがすごく良い。

 たまたま薬局でみつけて買ってみたというだけの経緯のこのアイテム、これを使い始めてから寝付きがすごく良くなった…!

目が疲れてて蒸しタオルを探していた毎日

 仕事柄、またタブレットで読書なんかをしているととても目が疲れてしぱしぱするので、もともと何かこう、蒸しタオル的なものがないかというのは思っていたんですよね。

 でもお手軽なものはなかなかなくて。流石におしぼりが入ってるあの機械(タオルウォーマーというらしい)を家に置くのもやばいよな…って思ってました。

 電子レンジで濡らしたタオルをチンして蒸しタオルというのはべちょべちょで妙なにおいがして悲惨なことにしかならなかったし、使い捨ての紙のアイマスクみたいなのは、なんかいまいち軽い。

 そういう感じでなかなか「これ!」っていうのが無かったのですが、そんな俺のニーズにぴったりフィットしたのがこちら、「あずきのチカラ」というアイマスクになります。

丁度いい重量感のあるアイマスク

 まず使い捨てではなく、手に取ると良い感じの重量感があります。なんかお手玉の感触を思い出す。

 中に入っているのが「あずき」「緑豆 (青あずき)」ということらしく、実際豆が入ってるからお手玉っぽくなるのかなとか思ったりします。

 この重みが目の上にのせると丁度良い…

 
 本製品は電子レンジで30秒ほどチンしてから使うわけ。あったまったあずきが目の周りをじんわり覆ってくれているこの感触があ"あ"~

 またレンチンして熱くなりすぎているときは「キケン!」って文字が浮き出て教えてくれます。やさしー!

フタを開けると香る、あずきのチカラ

 そしてこの製品がとても良いのは、レンチンであっためて目に乗せると、あずきのいい香りがほのかに漂ってくるところにあります。

 これが相乗効果でめっさ落ち着く…

 中で蒸気を発生させているのがあずきということなので、さもありなんという感じではありますが。最初に開封したときに驚いたのもこの部分で、あずきのよい香りがすごくしたんですよね。

 他のアイマスクを試していないので、香り付きとかあるかもしれませんが…この香りについては、「あずきのチカラ」のオリジナリティだと思います!


 そういうわけで最近のお気に入りなのでメモしておきます。画像は関係ありません。あずきと蒸気にめっさフィットした一枚があったので大作戦って言いたかっただけですまない。

 読書疲れにはもちろん、パソコンなどで目を使った後、というか普通に寝るときに使うとすごく良いですので、どこかで見かけたら是非一度お試しを。

首肩用…そういうのもあるのか…

謎のフクロウVerもみつけた。良い。

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"護れなかった"ものたちの、現実世界での戦いを。劇場版「ソードアート・オンライン オーディナル・スケール」【映画感想】

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 控えめに言って最高でした…

 劇場版という尺の中で、新しいデバイスで、激しいバトルとストーリーと、「アインクラッド」の因縁と。

 SAO好きはもちろんマスト。劇場で見るしかないやつやで…

AR型情報端末「オーグマー」が広まった新しい世界

 情報の表示のみならず、視覚、聴覚、触覚情報を送り込むことが出来るARデバイス「オーグマー」。

 これが流行しはじめているのが本作の舞台。

 アスナやリズ、シリカたちもみんな日常的にこのデバイスを使うようになっていて、そこでまた流行している「オーディナル・スケール」(以下OS)という拡張現実ゲームを楽しんでいたりします。

 このOSとオーグマーが事件の鍵になっていくのですが、そこにはやはりSAO、アインクラッドの影があり。

 舞台の時期的にもGGOでの死銃事件やマザーズ・ロザリオの後、アリシゼーション編の前というところもあり、個人的にはアインクラッド編の集大成、決着編であるとも感じました。

これはゲームであるが現実でもある

 従来のソードアート・オンラインシリーズと明確に一線を画しているのが、今回の鍵となる技術が「AR (Augment Reality: 拡張現実)」であるということ。

 いままでシリーズの基礎技術だったVRとの違いはその名の通り、VRが「仮想空間に世界を構築する」のに対して、ARは「現実空間を拡張する」というものになります。

 (現実空間を拡張…って言われてもって感じかもしれないですが、要は現実の視界の前にメニューとかが出てきたり、見ている物の情報がその上にポップアップされたりみたいな感じを想像していただければ)

 仮想と現実、それで何が違うかっていうといい加減に好き勝手できないってところなんですよね。

 
 個人的に、見る前に気にしていた点が二つありました。ひとつは「ARで視界をあれだけ変えてしまって大丈夫なのか」。もうひとつは「VRのようなバトルができるのか」

 ひとつめは、例えばCMなんかでは視界が一気にファンタジーな風景に作り替えられ、あたかも自分がファンタジー世界に入り込んだかのような映像が流れていましたが。

 あそこでオブジェクトに置き換えられてる車とかは現実にはちゃんとそこに車としてあるわけで、例えばそれを殴ったら車が傷つくわけで。

 そういう現実世界を舞台に、ボス戦のような大立ち回りをするというのはどうなのかな…っていうのが一つ。だってゲームに夢中で車道に転がり出たら死ぬでしょ。東京で。

 またもうひとつは、キリトくんたちの活躍はフルダイブVRによる(仮想世界での)身体能力の上昇によるところも大きかったと思うのですよね。

 流石にALOのように空は飛ばないとしても、VRと同じままだったら、逆にどうかなあ…って思っていました。

 私がこのシリーズを好きな理由のひとつに、「技術的に実現可能性があると思えるリアリティ」があるので、こういうポイントがどう処理されるかでまた評価が変わるななどと思っていました。

 
 で、結論から言うと全然まったく杞憂。

 特に後者なんか逆に、それを絡めた仕掛けを入れてくるようなところまであってやっぱりガチで作ってる人達すごいわ…ってなる。

 まあバトルシーンが派手なのは演出の範囲でむしろOKな方向で。リアリティを損ねなければそういうところは良い。

 
 技術的なところでは、「ディープラーニング」というのもキーワードとしてあって、結構これが魔法の言葉か! って感じで使われてたようにも感じましたし、事件の中核的には無茶を言う…って思いもしましたが実際のところアレはアレでそもそもブラックボックス過ぎてできるならできるんじゃないかな…って感じになったので良し。たぶん使い方としては正しいし。いいのか。

 オーグマーも、あの小ささであの性能っていう、もうオーパーツなのかってくらいのものですがこれはSFとしておいておきます。

 あの世界にはナーヴギアなどのフルダイブ技術が下敷きとしてあるんですよね。オーグマーやSOの存在、成り立ちについて劇中で語られたことを思い返してその性能を考えると、なるほど…って感じにちゃんとなるから素晴らしい。たぶん今、こっちの現実にあるAR向けのグラス端末とは根本から違うものなのかなという感じ。むしろMR(Mixed Reality: 複合現実、要はカメラで撮った画像に情報を重ねるようなもの)に近いのかもしれない。

 なんかそう考えると、俺達が理想のARを手に入れるためにはまずフルダイブ技術を完成させねばならないのかもしれない…

知られざる歌姫の思い出に祝福を

 そして薄々感づかれてると思うのですが、今回の事件の鍵はやはりあの「ソードアート・オンライン」、アインクラッドにあり。

 ストーリー的には泣ける…泣けるね…

 いろいろと、いろいろと言ってしまうと即核心みたいなところがあってあんまり何もいえない感じではあるのですが。最後のほうのアインクラッドの風景がフラッシュバックしてるようなところ、何度思い返してもじーんと来てやばい。

 エイジや重村教授のこの事件への関わりかたとか、ユナが「たのしかったー!」っていうところとかいろいろと思ってしまいます。

 …でもあんまり具体的には。そしてなんでこの映画のCMがあんなふわっとした感じだったのかわかった気がする。何も言えないからだ…

 (新キャラについてはほんと言いたいこといろいろありますがだいたい禁則事項(ネタバレ)に抵触しますね)

 
 そういうわけで本編ストーリーはあんま言及できないけど「結構おおごとになってる、でも気づいてるのはキリトさんたちだけ!」みたいで劇場版らしい感じとなりとても良かったと思います。

 またTVシリーズなどのキャラクターも多く出てきてこれまたよかった。アインクラッドとの因縁的に、SAO組が多かった感じではあるかな。つまり、

 シリカとリズのDEBAN組がDEBAN多くてよかったね! 最初から最後まで!

 シリカちゃんとかリズに乗せられてモールの真ん中で歌い出すのかーわいー! しかしこれはARである。当人以外にはいろいろ見えてないんじゃないかって考えると、がんばれ…

 (でも雰囲気的に、全オーグマーがリンクしてるような感じもあるのでもしかしたら映像共有されてるかもしれないですね。ほんとすごいわあのデバイス…)

 しかし一番の出番になっていたのはやはり正妻アスナさんでしたが。あの正妻力。キリトくんははよ挨拶に行け。

 なんでしょう、あの私服の三つ編みを肩から前にふわっと流すような髪型とか、「今は家に誰もいないから」「キリトくんなら…いいよ…?」みたいなのとか「妻だ…」「妻だ…」「事後だ…」ってフォースがささやく。また嫁力が上がっている。いいからキリトくんは挨拶に行け。

 このアスナさんの嫁力の高さを見ていると、最近ではもうSAOガールズには早く次の幸せを見つけて欲しいって気持ちになりつつあるのですが明るい未来はあるんだろうか。リズとリーファは結構あっさり彼氏できそうな気がしてるけどシリカちゃんは愛が重そう。そしてシノンはむしろ茨の道を行きそう。それはそれで応援してる…シノンのALOアバター、ネコミミがピクッとするのほんとかわいい。好き。

 またエギルやクラインも結構出番あったり、最後はほんと全員集合みたいなところもあってバトルもすごい盛り上がる。

 AR=現実だからバトルどうかなあっていうのは上にも書いたんですが、やはり全然杞憂でしたね。超かっこいいし超熱い。

 バトル的なところだと、キリトさんは個人技に頼るアタッカーなのでちょっとお察しなところあったのですが、アスナさんは持ち前のリアル運動神経に加え、血盟騎士団で培った指揮力も発揮されててほんと良かった。頼れる嫁すぎる。

 
 あとアスナといえば(俺の中では)マザーズ・ロザリオとスリーピングナイツなんですが。これもちらっと出てきてそれだけで評価上がりますね。

 オーグマーとOSが流行ると当然今までのVRMMOはアクティブユーザー率が下がっていくんですが…それについてコメントを求められたときのスリーピングナイツ「私たちはこのゲームから離れられませんから」、たぶん劇中で放送を見てた人達は「VRMMOのほうが好きな人達なんだなー」くらいの感想でしょうけど、後ろの事情を知っているとどれだけの思いか…

 位置情報の絡むゲームは(イングレスやポケモンGoなんかで体験した方も多いのではと思いますが)その場に居なければならないという大きな制約があり、それが面白いところでもあるのですが事情によってはそれが枷にもなるのですよね。

 このコメントがさらっと混ざっているところもまた、個人的には評価したいポイントでもありますよ。

 マザーズ・ロザリオは良い。ほんとラストバトルも良い。

 

 時期的なところでも、アリシゼーション編の前ということで、やはりアインクラッドから始まった「フルダイブVRMMO」の区切りとなるストーリーだったと思います。

 そこで大胆にARデバイスを投入してきて、ひとつの映画として区切りのあるシナリオかつ今までのソードアート・オンラインをかぶせてくる。

 大変よい劇場版でした…

 TVアニメ、原作小説を読んだ人はもちろん、知らなくても劇中でどういうことがあったかはある程度教えてくれるので、気になったら是非劇場に足を運んでみてください。そしてTVアニメ版を見始めるのです…

公式サイト

sao-movie.net

映画情報

eiga.com

その他

 劇場版記念で原作小説などが期間限定無料になっていました!

tsundoku-diary.scriptlife.jp

 押さえておくといいのは原作でいうと「アインクラッド」編の1、2巻、

 「フェアリィ・ダンス」編の3、4巻、

 「ファントム・バレット」編の5、6巻、

 「マザーズ・ロザリオ」編の7巻というところ。

 GGO勢も結構銃火器ぶっぱなしてるからおすすめ。

 アニメではTVシリーズの1期と2期が、上の巻数に当たるので大丈夫です。

anime.dmkt-sp.jp

anime.dmkt-sp.jp

 Amazonプライムとdアニメストア、dアニメストアのほうが全部あるからおすすめ。

 また主題歌やバトル時の挿入歌も良い。

もうデジタル版もあるみたい!

Catch the Moment

Catch the Moment

  • LiSA
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

in the digital world

in the digital world

  • 梶浦 由記
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

(2017/03/09追記) 2周目

 普段あまり周回しないんですが劇場版特典小説がもらえるときいて2周目。

 いろいろ分かった上で見るのもまたよい。

 謎めいたところは分かってしまっているので基本的にキリトさんとアスナさんのラブラブムービーみたいになっているんですが細かいところにぴくぴく反応してるシノンはやはり良い。

 キリトさんとオーディナル・スケール起動のかけ声合わせてるのもアスナさんとシノンだけだし夜のボスバトルに一人抜け駆けとかさりげないバイクのおねだりとかやはり泥沼か…

 リズにノせられてモールの真ん中で歌い出すシリカちゃんのちょろさも何度見ても光ってる。今回DEBANがMOREでよかったね…

 そしてラストのライブからバトルあたりは何度見てもぐっときますね。ユナが歌いきってから「やりきったー!」っていう感じのところが、彼女がなんのために存在していたかって考えるとここからせつないものがある。エイジはさーもっとユナに目を向けるべきだったんじゃないの。

 また絶対無理だろっていうボスバトルに突入してアスナのOSSからキリトさんの二刀流ソードスキルに繋がるのほんとよい。茅場さんは完全に亡霊と化してるというか貴方がシステムを超越してる気がするよもう既に。

 
 しかしエイジはなんか結局、二回目見ても何が「復讐」だったのかよくわからんかったよなあ。教授と違ってなんか目的がぶれてる感もあるし。いいコマだったということでもあるのかもしれんけど。

 結局「死の恐怖」を乗り越えられなかったエイジと、ラストバトルに参戦できたアスナとの対比がさらにエイジの存在を哀しみに染める。ランク2位の慢心スタートだったし見返してもいいところがあんまりないな…それがまた哀しい…彼は救われたのだろうか…

 
 また見直していて気づいたのが、あの方法、後の「アリシゼーション編」でキリトに施されたそれと原理的に同じことなんですよね。ということは教授の存在が影で生きていたんだろうか。

 たぶんアリシゼーション編もアニメ化するんだろうけど、そのときはオーグマーや教授も織り込まれたストーリーに再構築されるのかなあ。これだけ普及したことになってるデバイスの存在が全くナシになるっていうのは流石に無理があるようになってしまった気がする。

 
 まあでもやっぱり最後は泣くよね。みんな見るべき。

帝国との決戦のとき、父と子の絆はどうなる「スター・ウォーズ ジェダイの帰還」【映画感想】

スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還(吹替版)

 ルーク・スカイウォーカーが主人公となる三部作のラスト。

 フォースとともにあらんことを…

ハン・ソロを奪還せよ

 EP5でジャバに囚われてしまったハン・ソロを救い出すところから始まる今回のEP6。

 ロボット2体を差し出してみたりチューバッカを使って潜入してみたりルークが真正面から乗り込んでみたりとなかなかやりたい放題である…

 C-3POとR2-D2は何かの作戦なのかと思ったけどそんなことはなかったんじゃないか感しかなくてジェダイおぃぃぃぃぃ!!!

 ルークお前…思い返せば一応、R2-D2が役に立っているところはあるから一応、作戦だったんだろうか…

 ジャバ・ザ・ハットの末路もある意味ひどい。どこまでが作戦だったんだルーク。

 (あいつは確かにマフィアみたいなもんだけど、結局ソロに貸した金が返ってこなくてカタをとったら成敗されたみたいなの結構ひどいのでは。ソロのほうも別に踏み倒す気があったわけではなかったわけで、不幸な事故である)

神になるC-3POとレイア姫大活躍

 結構ぐだぐだ感のあるジャバの倒しかたとか惑星エンドアの森で原住民(もこもこしててかわいい)に拿捕されたりとか今回コメディ色が強めかなと思って見ていた中盤。金ぴかゆえに原住民(もこもこしててかわいい)から崇められるC-3POでもうだめ。

 神の仲間だから歓待されるのかと思ってたら、神のふりをして助けてもらえみたいなことを言うソロにC-3POは「そんなことはプログラムされてません」みたいなことを言い出して結局どうなるかっていうと神の座に座るC-3PO丸焼きスタイルのハン・ソロもうだめ。

 あのドロイド絶対根に持ってるって…ちゃんと謝ったのかルーク…

 髪を下ろした現地スタイルのレイア姫が素敵だったので由としますけど。

 でもこのお姫様も、EPが進むごとにだんだんとふしだらお転婆になっていきますね。反抗作戦に「私も行くわ!」っていいだして誰も止めない程度の実力はあるってことなんでしょうか。

 確かにジャバとの戦いも決め手となっているしエンドアでも銃をバンバン撃ってくし。ある意味流石というところです…

ジェダイの帰還

 そしてやはり今回の見所はルーク・スカイウォーカーとベイダー卿の因縁、そしてついにルークと対面する銀河帝国皇帝ダース・シディアス。

 フォースの暗黒面に引きずり込もうとする皇帝とそれに抗うルーク。見守るベイダー卿。

 ラストはまさに「ジェダイの帰還」というタイトルが示しているとおりでした。ベイダー卿…

 (このサブタイトルも、最初は「ジェダイの復讐」だったらしいのですが今のほうが合っていると思います。「復讐」だったとすると、ちょっと分からない感じもある)

 フォースとは、消えていったジェダイの騎士たちの魂のことなのかもしれません。

 
 
 さて、三部作を見終わってから次はどちらにするかな、という今の時代ならではの贅沢な悩み。

 アナキン・スカイウォーカーが主役になる、「Zero」にあたるEP1-3にするか、それとも次世代のEP7にするか。

 過去も気になるけど未来も気になります。うーん…

 
 


 あと全然関係ないけどジャバが俺の中で奴隷商人痴皇と被っててあいつ出てくると「痴皇だ…」「痴皇…」ってフォースのささやきが聞こえてすげーつらかった。

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奴隷商人痴皇 (「幽☆遊☆白書」より)

 テンプレ的なクズの奴隷商人的な出で立ちなので被るのも仕方ない…いやほんと全然関係ないけど。

 レイア姫を奴隷ビキニで鎖首輪という、おそらく1983年当時には全世界に衝撃を走らせたであろう人物でもある。最期もなんていうかアレ。びちびちしていたしっぽがキュート。