つんどくダイアリー

つんどくダイアリー

わりと好き勝手書いてるからネタバレてたらごめんね。旧「怒濤の詰ん読解消日記」。積まれてしまったマンガ、ラノベなどを読んで感想を書いています。結果として面白い本の紹介だったりまとめだったりになってる。/端末の表示によると、あと740冊/※本サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。ページ内のリンクがアフィリエイトリンクの場合があります。

「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 1 case. 剥離城アドラ」感想 魔術師の遺言に招かれたものたちの、魔術的惨劇が幕を開ける

ロード・エルメロイII世の事件簿1 case.剥離城アドラ【書籍】

 あのロード・エルメロイⅡ世が主人公で参戦!
という、Fate/Zeroを知るものにとってはたまらない一冊。

 その内容もミステリアスかつ魔術的考察に富み、オカルト・ミステリー好きにもクリティカルにヒットするでありましょう。

※ここから先にはネタバレがあります。Fateシリーズはその話の展開、構成すべてに驚きと仕掛けが込められているようなもので、どうあっても感想というとネタバレになってしまうところがあるかもしれません。(おいしいところはなるべく残しておきたいとは思っていますが) 未読の方、ネタバレが気になる方はここで引き返し、迷わず本作を手に取ることおすすめします。

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サーヴァントを全騎最終降臨させたくなる本 「Fate/Grand Order material」Ⅰ、Ⅱ感想

Fate/Grand Order material I【書籍】

 読めば読むほど最終降臨させたくなるFate/Grand Order副読本。やばい…

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サーヴァント達の紹介、歴史、運命の書

 本書はスマートフォン向けゲーム「Fate/Grand Order」に登場するサーヴァントについて紹介された本です。

 掲載されているサーヴァントは主にメインストーリー「第三章 封鎖終局四海オケアノス」までとハロウィンイベント、ぐだぐた本能寺、クリスマスイベントあたりかな。ケルトの英霊がちょっと第五章フライングしてる感じもある。

・「Fate/Grand Order material Ⅰ」

マシュ・キリエライト / アルトリア・ペンドラゴン / アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕 / アルトリア・ペンドラゴン〔リリィ〕 / ネロ・クラウディウス / ジークフリート / ガイウス・ユリウス・カエサル / アルテラ / ジル・ド・レェ(セイバー) / シュヴァリエ・デオン / エミヤ / ギルガメッシュ / ロビンフッド / アタランテ / エウリュアレ / アーラシュ / クー・フーリン(ランサー) / エリザベート・バートリー / 武蔵坊弁慶 / クー・フーリン〔プロトタイプ〕 / レオニダス一世 / ロムルス / メドゥーサ / ゲオルギウス / エドワード・ティーチ / ブーディカ / 牛若丸 / アレキサンダー / マリー・アントワネット / マルタ / メディア / ジル・ド・レェ(キャスター) / ハンス・クリスチャン・アンデルセン / ウィリアム・シェイクスピア / メフィストフェレス / ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト / 諸葛孔明〔エルメロイⅡ世〕 / クー・フーリン(キャスター) (掲載順)

・「Fate/Grand Order material Ⅱ」

佐々木小次郎 / 呪腕のハサン / ステンノ / 荊軻 / シャルル=アンリ・サンソン / ファントム・オブ・ジ・オペラ / マタ・ハリ / カーミラ / ヘラクレス / ランスロット / 呂布奉先 / スパルタクス / 坂田金時 / ヴラド三世 / アステリオス / カリギュラ / ダレイオス三世 / 清姫 / エイリーク・ブラッドアクス / タマモキャット / ジャンヌ・ダルク / オリオン / エリザベート・バートリー〔ハロウィン〕 / 玉藻の前 / ダビデ / ヘクトール / フランシス・ドレイク / アン・ボニー&メアリー・リード / メディア〔リリィ〕 / 沖田総司 / 織田信長 / スカサハ / ディルムッド・オディナ / フェルグス・マック・ロイ / アルトリア・ペンドラゴン〔サンタオルタ〕 (掲載順)

(TYPE-MOON BOOKS 2016年夏の新刊情報 - TYPE-MOON Official Web Siteより)

 それぞれのサーヴァントが真名、出身、出典、歴史、スキル、宝具、FGOでの扱いから霊基再臨3段階目の立ち絵まで数ページに渡り紹介されていて、Ⅰ、Ⅱともに300ページオーバーのこのボリュームである…

英雄達の歴史の書でもある

 FGOというゲームが「古今東西の偉人、英雄を召喚してバトル」というものなので、そのバックグラウンドが語られるとなるとちょっとした英雄辞典みたいなふうにもなっています。

 その史実的なものと他作品での関連が同時に扱われていてなんともいえない不思議な歴史の中にいる気分になる。コメント欄ですまないさんがヴラドの旦那にすまないしてたり。ジャンヌがアストルフォになぜかなんともいえない感情を…それは対抗心なのか何なのか…

 それぞれの史実とバックグラウンド、そして聖杯にかける願いを読みながら霊基再臨をみてるとほんと全てのサーヴァントを最終降臨目指したくなる

 ☆の数に関わらず、全てのサーヴァントが一騎当千、歴史に名を残してきたものたちであるというのがよくわかる。そしていろいろ昔の英雄譚不条理だよなあ…って思うところもしばし。

 アルテミスさんあんだけスイーツな感じだけど生贄ゲットできなくて怒って魔獣けしかけたりしてるし、その魔中が原因で始まった抗争を目の当たりにしていたアタランテさん、女神がスイーツだし。不条理…

 きよひーが安珍追いかけているうちに追いつくために蛇になり、安珍の逃げ込んだ鐘を締め上げまるごと焼き殺したエピソードなんか一途すぎて泣けますよね? こわい。

 アステリオス、ミノタウロスという名のほうが通りがいいかもしれないこの男の生涯もまた泣ける。父親が牛の捧げ物をケチったがために呪いを受け牛頭の怪物として生まれて迷宮に閉じ込められ、英雄テセオスに倒される。しかしその打ち倒される運命を父の救済と受け止め、「雷光(アステリオス)」の名とともに父から与えられたものとして憎むことはなかった。その後に三章オケアノスのことにも触れてありだいぶぐっときますね。

 オケアノスと言えばエウリュアレ。ゴルゴン三姉妹のこともばっちり。Fate的にも有名なメドゥーサからは恐れられていたエウリュアレとステンノの姉様達だけど、

メドゥーサがオリュンポス十二神の一柱であるアテナによって「形なき島」に追放された際も、当然のように一緒に島へと渡り、次第に異形の怪物へと変わっていく妹を恐れず受け入れ、共に最後を迎えた

とかさらっと書いてあるんですよねこれ。

 そんな素敵な記述が一杯で、やはり最終降臨… 

カルデアという新たな場

 でも、「英霊の座から召喚されたサーヴァントはコピーのようなもので、毎回毎回リセットされる」というのをひしひしと感じるところでもあります。

 生前のつながりははっきりと覚えているけれど、他のシリーズ作品などでのことはおぼろげながら、という感じで。ジークフリートもジャンヌもヴラド三世も天草四郎も、ちょっと気になるような気がするようなくらいの温度感でそれがまたいい。

 そして今回カルデアでのことは現在進行形で今までに無い規模でぽこぽこ縁のある英霊達が増えていくわけで、死後の人生大同窓会みたいなふうになっているところありまして。

 外の世界はえらいことになっているわけですが、本書に書かれているような壮絶な人生を駆け抜けた後の、まあそれなりに楽しそうにしているサーヴァント達を見ていると、もしかしてここが死後に英雄達が導かれるという…というような妙にほっこりした気持ちにもなります。

 なりますがカリブ海に暴虐の嵐を吹き荒らした大海賊黒髭はどうしてこうなってしまったのか…

 影の国の女王として、永遠を生きる運命と諦念に囚われていたスカサハ師匠がサマービーチで水着で楽しそうにしてるっぽいのを見てるとほんとにここは楽園。

※本作品の入手について

 この作品は通常の書籍とは別のルートで販売されているものです。

 公式の取り扱い店舗は、アニメイトanimegaあみあみグッドウィルゲーマーズK-BOOKS 秋葉原新館3FCOMIC ZIN書泉ソフマップ/DMM.com/とらのあなメロンブックスとなっています。

(2017/04/26 Amazonでも取り扱っているようです!)

・Fate/Grand Order material I

ゲーム Fate/Grand Order material I 【書籍】|PCソフトのソフマップ[sofmap]

Fate/Grand Order material I 【二次予約分】 (とらのあな)

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=176332

Fate/Grand Order material I (DMM.R18)

・Fate/Grand Order material Ⅱ

ゲーム Fate/Grand Order material II 【書籍】|PCソフトのソフマップ[sofmap]

Fate/Grand Order material II 【二次予約分】 (とらのあな)

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=176331

Fate/Grand Order material II (DMM.R18)

 TYPE-MOON BOOKSの情報、取扱店舗などについては、こちらをご覧下さい。

TYPE-MOON BOOKS - TYPEMOON.COM

Fate/Grand Order material Ⅲ

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 FGOマテリアルの続刊、第四、第五特異点のサーヴァントたち!

Fateシリーズについて

FGOからFateに踏み込んでしまったあなたへ…

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FGOサウンドトラック出ました! 懐かしい旅の思い出が蘇る…

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「ダンジョン飯」3巻感想 ああ 海産物 海産物

ダンジョン飯 3巻<ダンジョン飯> (ビームコミックス(ハルタ))

 ダンジョンで飯を食う…じゃない、ドラゴンにまるっと呑まれた妹のファリンを助けるためにダンジョンに潜り飯を食うライオス一行。そのあくなき食への追求とどまるところを知らない第3巻です。

水辺のフロアにて

 地下4階は水の張ったフロアになっていて、モンスターも人魚など水にちなんだものが多い。

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(「ダンジョン飯」3巻より)

 可能性への挑戦。

 ライオス…それ以上 いけない…!

 また水辺の食材魔物といえばの代表格であるあいつ、クラーケン。

クラーケン(ノルウェー語等:Kraken)は、その多くが巨大なタコやイカのような頭足類の姿で描かれる、北欧伝承の海の怪物。(Wikipediaより)

なんだけど水面から飛び出してきたのはどうみても。

 なんというか、いや、ファンタジー系でよく出てくる巨大な軟体動物だけど。なんていうかどうみても。

 ダンジョン内の水辺って淡水なんだろうか海水なんだろうかっていうどうでもいいこと考えてました。


 そして調理されるのはまさかの…蒲焼き…とは…

 しかしよくよく考えれば、うなぎとかも結構な姿形ではあるし…捌くというのは見た目的な抵抗を無くす意味合いもあるのかもしれない。

知恵と勇気で切り抜けるダンジョン道

 結構メジャーな水の精霊ウィンディーネ。

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(「ダンジョン飯」3巻より)

 ウォータージェットつよい…

水だけで加工するもの以外に、水に何らかの研磨材を添加して加工するものをアブレシブジェット加工という。 アブレシブジェットは、材料を選ばないところが大きな特徴である。鉄筋コンクリート、ガラス、鉄鋼などから、宝石、ダイヤモンドまでも切断可能である。(Wikipediaより)    研磨材でそれならウィンディーネを混ぜたらどうなるんですかね…(震え声

 というだいぶ厄介なことになっているところに、昔の仲間であるナマリと彼女を含めたパーティがやってきて一時強力したり。

 食事が目的ではない他のパーティとの交流は結構珍しく、またこのパーティの主であるタンス夫婦がどこかの学者でもあり、ダンジョンの謎的にもいろいろと興味深い話があったりします。

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(「ダンジョン飯」3巻より)

 しかし行き着く先は食材となる運命…

ダンジョンという場所について

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(「ダンジョン飯」3巻より)

 このダンジョン自体は「狂乱の魔術師」というものが作った人工的な場所ということになっています。

 そこで考察される生態系とダンジョンの仕組み。話が進むにつれちょいちょい出てくるのがまた気になるポイントですな。

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(「ダンジョン飯」3巻より)

 ダンジョンの中でのみ蘇生が可能というこの(REGではおなじみの)この現象、よくよく考えていくとおぞましいものだというふうになっていくのが劇中で考察されたりするのも好き。

 それからテンタクルスとカエルだったり、なんかこうその場の工夫で切り抜けられるよ! っていうような用意がされているのもまた、わざとなのか生態系のなせる技なのか。

 この「場」は一体なんなんだろうな…という気持ちにもなります。

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(「ダンジョン飯」3巻より)

 「食」は生命の循環に行き着く。深い。

2016年夏アニメ感想まとめてピックアップ! その2 (随時更新)

 ええと、どうやら文字数を超えてしまったようなので別の記事で続けます。

 これまでのまとめはこちら。

tsundoku-diary.scriptlife.jp

不機嫌なモノノケ庵

TVアニメ「不機嫌なモノノケ庵」 1巻 【Blu-ray】

 モジャっとした妖怪に取り付かれた芦屋花繪が困って駆け込んだ先が妖怪払いを行っている不機嫌クールな安倍晴齋の「物怪庵」。妖怪物の怪の出てくる日常コメディぽい感じなんでしょうか。あのモジャっとしたのかわいい。

公式サイト

mononokean.tv

原作、関連書籍など

食戟のソーマ 弐ノ皿

食戟のソーマ 弐ノ皿 1 <初回仕様版>Blu-ray

 ついに始まる「秋の選抜」本戦トーナメント!

 クソ熱い料理バトルアニメは今期も絶好調ですね。ほぼほぼ1話完結で展開もスピーディなのもよい。

 完全に前作からの続きですから前シリーズは見ておいたほうが吉。

 区切りとしては選抜終わりまでやるのだろうけど、原作通りにするのかどうなのかはちょっと気になりますね。

 原作のほうはその後も続いているからあれでいいんだけど、そこで区切ってしまうともやっとしそう。

公式サイト

shokugekinosoma.com

原作、関連書籍など

「秘密 ートップ・シークレットー」4巻まで感想 脳に秘められた最後の「秘密」を元に解き明かされていくミステリー・サスペンス

秘密 ?トップ・シークレット? 1 (ジェッツコミックス)

 ただいま絶賛公開中の映画「秘密 THE TOP SECRET」の原作漫画。
 映画化キャンペーンで1,2巻が期間限定無料、3~4巻が半額でしたのでひとまず4巻まで読んでみました。

「脳に記録された秘密」から事件を解き明かしていくミステリー

 科学警察研究所法医第九研究室、通称「第九」では「MRIスキャナー」という「脳の情報を映像化」できる装置を用いて、猟奇殺人の被害者、殺人犯、死刑囚などの脳から捜査に役立てるための情報を探り出すという組織。

 この「第九」に配属された青木一行と、室長である薪警視正、それから「第九」のメンバーたちが数々の猟奇事件に挑んでいくというストーリーになります。

 (1巻の最初は米国大統領暗殺事件を舞台にしたものだったので「第九」は絡みませんでしたが、その他の事件は「第九」が扱ったものになります)

その人の見ている世界

 「被害者の見ていた映像が見られたら犯罪捜査なんて一発なのに」っていうライトな感じのそれと、実際に捜査で見られているところが描かれることでその発想のなんともいえないヤバさ、気持ち悪さ、でも捜査情報としては一級品であり、事件解決のためには仕方ないというこのバランス…

 「他人の記憶は見てみたい(仕方ない)」「自分の頭の中は絶対に見られたくない」という身勝手な矛盾をひしひしと感じるのですよね。

 それは、この脳内映像が「事実」の記録ではなく、「脳が認識した映像」、つまり「その人の感じていたイメージである」ということと、犯罪の証拠だけじゃない、その人の人生の記録でもあることが時折示されるから、より強くそう思うのかもしれません。

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(「秘密 ートップ・シークレット-」1巻より)

 大統領暗殺の情報を得るための視覚化での一場面は、これが犯罪捜査として行われているけど、扱っている事柄はもっと尊いものだということを示しているよう。

 もちろんこれは紙一重であり、28人を殺害した連続殺人犯、貝沼清孝の捜査にMRIが使用されたときは、貝沼というフィルタを通して見たその映像によって3人が自殺、1人が精神に異常をきたし病院送り。

 そして「第九」で扱うことになる事件はほとんどが猟奇殺人、重大事件になりますから、その過酷さ、さらされる悪意がどれほどのものかという…
(モラル的な面もあり、MRIスキャナーが使用される許可が出るのはよほどのものになるので、自然とそうなってしまうのです)

 連続殺人犯から抽出された純粋な悪意、被害者から見た殺される瞬間、そして走馬燈のような綺麗な世界…それらのものが混ざり合って、物語を進めていきます。

重大事件とその捜査

 そんなデリケートかつ危うい捜査に持ち込まれる事件もまた、重大で猟奇的なものばかり。大統領暗殺に始まり、謎の集団自殺、一家惨殺の真相、ケースに入れられ送りつけられてきた脳…それらの加害者、被害者の脳から情報を得て、薪、青木、「第九」メンバーが事件の真相に挑んでいきます。

 おぞしい悪意に満ちたマスコットキャラの連続殺人事件や、あくまで証拠映像として使っている沿線の連続殺人事件だったり。被害者、加害者が脳で語るそれらはだいぶ正気度下がるところですね。
 ただ他のミステリーとかサスペンスとかの作品だと、このあたりは回想だったり推察の視覚化みたいな感じで表現されていて、この作品の表現が特別だとかいうことはない気はします。
 しかし他の作品では感じられないような何かを思ってしまうのは、やはりこれが「死者の脳から抽出された真実の映像」であるという前置きがだいぶ強力なのでしょう…

 また事件そのものよりも「死後に脳を覗き見られる」というおぞましさと他人の見ている風景の美しさだったり、配属された新人の何気ない気持ちだったり。

 グロテスクなシーンも多いマンガですが、読み返すとそういうところのほうが思い出される感じでもあります。

 現在、映画化キャンペーンで1~2巻が期間限定無料です。1巻は大統領暗殺、連続自殺とシリアルキラー貝沼清孝の話。2巻は配属された新人と送られてきた脳、そして露口一家惨殺事件。

 よろしければまずこちらだけでも是非。

映画「秘密 THE TOP SECRET」感想 死者の脳に隠された「秘密」に、警察庁特別機関「第九」が挑むサスペンス!

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 死者の脳にアクセスし、その記憶を映像として掘り起こす…科学的にもモラル的にもギリギリな装置を使い、殺人犯と対峙していくサスペンス。

「第九」での事件捜査

 警察庁の特別機関「第九」は、MRI捜査という手法で、死んだ人間の脳から生前に「見ていたもの」を映像として引き出し、それをもって犯罪捜査に役立てています。

 正確には科学警察研究所法医第九研究室であり、捜査の証拠を科学的に鑑定したりするところです。だからこのMRIも、DNA鑑定などと同じようなポジションでもある。(そしてまだ正式に証拠として採用されていない)

 この部署に配属された新人の青木が初任務として、露口一家惨殺事件で死刑執行された犯人の脳をMRI捜査して、事件で行方不明となっていた長女・露口絹子の行方をつきとめる…というはずだったのだが事態は思わぬ方向へ向かっていき。

 室長である薪と因縁のあった連続殺人犯、貝沼清孝の影も絡んできてますます謎が深まっていきます。

死者の脳を覗き見る機械

 脳に特殊なナノマシンを注入、それによって活性化させ、当人が「見たもの」を映像として抽出するMRI捜査。

 覚えていなくても脳には「記録」されているため、過去5年程度に遡り映像を拾うことができるという、特に殺人事件において画期的すぎる手法。

 なんせ犯人の顔が映ってるわけですからね…確定じゃないですか…

 この発想、だいぶ震えますが…証拠として採用されないことにも理由があって、この装置は「脳が記録しているもの」が映像として出てきます。

 それがどういうことなのか、というと、幻覚や強いイメージなど、事実ではないものも映像として抽出されてしまう。

 相手の顔が悪魔に見えたり、見えるはずのないものが映ったり…といったことは割とよくあるという、「事実」を記録した映像ではなく「真実」のイメージが残されているわけですね。

 またこの「映像化」を行う際には捜査員の脳にその情報を投影しないといけないようで、つまり誰かの脳を生体コンピューター代わりにしてデコードしているという感じなのかなあ。

 それによって他人の脳内イメージを追体験する、しかも多くは異常犯罪、殺人の被害者だったりするわけで発狂しないはずがない…

 こういった精神負担についても当然問題視されており、事実、薪が捜査を行った貝沼清孝による28人連続殺人事件。貝沼の脳をMRIスキャンした5人の捜査員は3名が自殺、1名が精神病棟送りになっています。最後の一人である薪もその影響でか、発作で倒れるなどを繰り返している。

 しかし大部分において有用であることは間違いないので、「第九」を正式機関に昇格させるという動きはあり、そのための試金石が露口一家惨殺事件で発見されなかった遺体捜索でした。

にじみ出る人の邪悪さと異常さ

 そしてこの露口一家惨殺事件の犯人として処刑された露口浩一の脳内映像を見て発覚した事実から、事件は急展開を見せていくことになります。

 メインになるのは「第九」メンバーと殺人犯のやりとりに加えて、過去の亡霊といわんばかりにその影をみせてくるシリアルキラー、貝沼清孝。

 ただこのあたりは正直ちょっとちぐはくした感じを受けていたのですが、原作を見るともともと露口一家惨殺事件と貝沼清孝は別の話だったようで、それをまとめて一本にしてしまった故なのかなあという感じでもある。貝沼は映画版のほうが不気味さ異常さ強かったですね。

 あと「第九」が科警研の管轄なので、事件捜査をするために協力を要請した眞鍋という刑事がいるんですがこいつが公式サイトで熱血刑事とか紹介されてるのは全く納得がいかない。
ただのDQNなクズ刑事じゃねーか。昭和のクソ刑事のクソ部分を煮詰めたようなものでしかなかったんでさっさと取り調べ可視化してください。
「最先端のMRI捜査」との対比として、アナログ的なものも出したかったんでしょうかね…

公式サイト

himitsu-movie.jp

映画情報

eiga.com

原作など

 完結している本編と、スピンオフとして薪室長の過去話があるみたい。

今だと1~2巻期間限定無料、3~4巻半額とやっているようなので、興味がある方はまずは是非1~2巻だけでも。

 貝沼事件と露口一家惨殺事件も2巻までに収録されていますから、映画を見た方も読んでみることおすすめです。

Kindle Unlimitedのタイトルが入れ替わっている? という話と、簡単にできる解約と再登録の方法

 どうも、unlimitedの書籍ラインナップが地味に入れ替わっているという話があるよう。

moneyreport.hatenablog.com

 始まったときの紹介でいろいろリンクしていたので、それらを確認してみましたが現時点では対象から外れているということはありませんでした。

tsundoku-diary.scriptlife.jp

tsundoku-diary.scriptlife.jp

 (魔術師オーフェンは合本版も対象になっていたのだけど合本版は対象外になっていたのでバラのほうにリンクし直しました。ということはあったので、今後確実に入れ替わらないということはないみたい。)

水増し?

 スタートダッシュの水増しかな? という話もあるんですが、個人的には勝手にunlimited対象になっていた著者からのクレームなどで取り下げられた系のやらかしかなあ…

 だって一週間だけ水増ししたって明らかに炎上するだけじゃないですか。しかもコミックスとか大衆向けのそれならまだしも技術書でとか。戦略的にあまりに微妙。

 と思っていたらばこちらの記事で調査された結果、やはり増えたり減ったりはしている模様。小学館…

www.wildhawkfield.com

 翔泳社が-201、インプレスR&Dが-39なので、冒頭の技術書が減ってるみたいな話はデータ的にも正しいということですね。小学館何が消えてるんやろ…

 他にもパーセンテージとして大きく減らしている出版社は複数、扱いをやめてしまったようなところもあるみたいで。

 最初はイレギュラーなやらかし対応かなと思っていたのですが、見直しも入っているような感じに思います。

 ただ一度本棚に入れた書籍は、その本がunlimited対象外になっても本棚から外さなければ読み放題状態になるようなので、気になったものは早く読む、とりあえず本棚にいれておくというのがいいのかもしれない。

(2016/8/31追記) Amazonが音を上げていたという話が…

http://www.asahi.com/articles/ASJ8Y41XSJ8YUCVL00C.htmlwww.asahi.com

 ア"…ア"…ア"…

 Amazon持ち出しで上乗せしてたらそれは赤になるでしょうということなんですが、想定外に繁盛してしまったからAmazon側で勝手に対象外にしていたという話で…

 技術書がごっそり消えたのも、1冊当たりの単価高かったからなんでしょうかね…

 予想外の繁盛に契約見直しなどは仕方ないにしても、この対応はちょっと雑すぎる気がしますし、読み放題ラインナップから人気作が読まれているから消すみたいなのは(今回がイレギュラーな対応だとしても)読み放題プランとしてどうなのみたいな感じにもなりますし今後どうなのかこれは。

アマゾンからは「道義的な責任はあるが契約違反ではない」

 あ、ええと、はい…

個人出版が増えている?

 KDPはKindle専売にすると自動的に読み放題になるらしいので、相対的にKDPのほうが目立つジャンルがあるのだと思います。

www.wildhawkfield.com

 専売にするとロイヤリティオプションが70%になるし、みんなこれを選んでいるのではないかと思います。

 しかし余談にはなりますが、上の記事のやりとりを見ていると、「デベロッパーの取り分は35%が普通、70%がむしろ特別扱い」なんですね…

 アプリなんかだと売り上げの70%がロイヤリティとしてデベロッパーに入るのが普通 (むしろガラケーの頃と比べるとデベロッパーの取り分減ってる)という感じなので、ちょっとせちがらさを感じる。

 KDPは、というよりAmazonは立ち位置としてはプラットフォーム、流通のところなわけですから、Amazonの取り分65%はむしりすぎなんじゃないですかねえって外野の感想としては思いますが、これがプラットフォームを握られるということ…

 (こちらの、従来の分配を見てみても、「取り次ぎ+書店」で30%という感じではあるから30%くらいはもってってもいいとは思いますが。でも電子化の恩恵一番受けてるのはここだから、そういう意味ではもっと低くてもいい)

diamond.jp

解約と再登録の方法

 解約も再登録も簡単です。

 解約するときは、「アカウントサービス > お客様のKindle Unlimited」を開き、左下の方にある「メンバーシップを管理 > Kindle Unlimted会員登録をキャンセル」へ移動。

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 その後に「メンバーシップを~日に終了」とあるボタンから解約できます。

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 このボタンに表示されている「~日」までがunlimitedが有効な日になります。

 それで解約すると、この「メンバーシップを管理」となっていたところに「Kindle Unlimited会員登録を継続」と出てくるので、

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 このボタンを押すとまたUnlimitedに戻ります。




 ともかく、unlimitedはお得には違いないのですが入りっぱなしでいるほど読むかというとラインナップ次第なので、今後はどうなるかはわかりません。

 入会と退会を上手く使っていきたいところですね。

 退会しても、次の継続日まではunlimitedは有効になっているので、支払ってすぐ解約しておく、読みたくなったときに切れていたらまた登録というのがいいのかも。